[scudelia:cinema] Magical Mystery Tour

 

 八百萬神々之國
date:2005/05/03 to 06 

 

 

□あ〜松江は楽しかった。っんで、次はどこに行くの?はぁ、岩国、、、錦帯橋ねぇ、、。あぁ、あの木製連続アーチ橋ねぇ。で、今からじゃもう遅くない?えっ行くの?けど日が暮れちゃうよ。
とまぁ、今日はちょっと無理のあるスケジュールだったわけさ。地図で見ると松江と岩国は「ちょっと車を走らせて」というわけにはいかない距離みたいだ。どっかで一泊して(もちろん車中泊)明日の朝にしようと言ってもどうしても今日中に行くのだと家内は言う。

島根県・道の駅「湯の川温泉」の足湯にて旅の疲れを癒すの図
□それでも何とか日中にたどり着こうと裏道に入ったりしてみるが大失敗。道を間違えてしまった。それみたことか!と家内を責めると急遽夫婦間紛争が勃発。ちと押され気味のタケダ(ちなみにかみさんもタケダ)。起死回生の逆ギレ作戦に打って出るがこれが完全に裏目に出た。ついに戦局は泥沼化。そんなこんなですったもんだがあったもんだが、やはりこのままでは日中に岩国には到着しそうにもない。不本意ではあるが、高速道路を使うことにする。

 

結局、岩国に到着したのは午後7時頃。ちょうど日没の直後。錦帯橋を訪れるのは初めて。それ以前に錦帯橋という名称とこの景色が一致したのも初めて。そうか、これが錦帯橋というやつか。木造のアーチ橋ねぇ、、、。月明かりに照らされる錦帯橋もおつなものだ。今まで大きく弧 を描いたアーチは渡りにくいだろうとおもっていた。なんのことはない、階段状になっているじゃないか。なるほど、、、。
この橋の本質は上部を渡って景色を見ているだけでは見えてこない。川原に降りて下から見上げてみるといい。橋梁を湾曲させることによって剛性を得るのがこのアーチ状の真意。この手法は当時の造船などの方面 でも見られる。そうだなぁ、例えばテントのアルミポールやクラフトプレインの翼の竹籤と同じ様な仕組み。

 


□時をかける転校生はさびしんぼう□

□昨夜は広島の家内の実家に泊めてもらう。数日ぶりのお風呂と布団が嬉しい。義父お手製の朝ご飯もいただいた。何故か旅先の朝ご飯は美味しく感じられてたくさん食べられる。

□さて、本日の予定は尾道。尾道といえば大好きな大林宣彦の映画の舞台。実はかねてから尾道はゆっくり歩いてみたいと思っていた。過去何度か広島への帰省の折に通 りかかってはみたのだがどこに行けばあの映画のシーンに出会えるのか分からずじまいのままだった。今回はちょっとだけ予習をしてきたのだ。

□駐車場に車を停めて徒歩での散策を開始する。少し小雨がぱらついているのが惜しまれる。
まずは尾道駅前の観光案内所で観光用のパンフをいくつか調達する。そこで大林映画のロケ地の案内図をもらうことが出来た。これはいい。「転校生」に「時をかける少女」、そして「さびしんぼう」の舞台か、、どれもいいなぁ。どこから廻ったものかと林芙美子のとなりで思案する。

 

□しばらくパンフの地図の示すルートに従って石畳の坂道を歩く。しかし尾道はお寺が多いなぁ、坂の街にはお寺がひしめき合うように存在している。檀家よりもお寺のほうが多いんじゃないかと思えてくる。歩いているとお寺、少し歩くとまたお寺、、、、?あ、これ寺巡りのパンフじゃん!!

□歩き疲れたので小腹がすいてきた。時間もちょうど良いし昼食にしようか。そうだ、ラーメンを食べよう。尾道に来たらぜったい尾道ラーメンを食べるんだと決めていた。無類の麺食いのタケダであった。今日足を運んだのは繁華街にある朱華園というお店。何を隠そう尾道ラーメン発祥の店。
他にも名の知れた尾道ラーメンの店は多々あるのだろう。しかし“オリジン”という存在に敬意を払いたいと常に思っている。札幌では味噌ラーメン発祥の店というのにも行ったことがある。
正確な情報ではないかもしれないが、タケダの認識では日本津々浦々にあるご当地ラーメンに触発されてとある人物が一念発起し、試行錯誤のうえに完成させたのが始まりとされていた、、、ようななかったような。不確かな記憶だけで言っているのであまり他言しないように。
ダシは瀬戸内の海で取れた魚からとり、スープの表面にはコクを出すための豚の背油の細切れがたくさん浮いている、というのが尾道ラーメンのおおよそのスタイルだと思う。あまり濃い味を好まないタケダではあるがそれなりに美味しくいただいた。いかんせん豚の背油が気持ち悪いのでスープまで完食とまではいかず。

 

 

 

『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』、これら尾道を舞台にした大林宣彦監督の映画を尾道三部作という。写 真の階段は『転校生』の超重要ポイント。御袖天満宮というそうな。天満宮というからには菅原道真か。
こ、ここが、、あの階段。いやはや、この階段だよなぁ〜、そうそう、この階段。 あぁ、感無量〜。と興奮しているのはタケダだけではない様子。他にも尾道映画巡りの観光客が訪れていた。
こうして実際に神社の階段を自分で上ってみると以外と高いもんだ。映画のようにここから転げ落ちるとちょっとただではすみそうにない。せっかくだから転げ落ちてみたかったのだが遠慮しておこう。命あっての物種。

 

□楽しかった旅も今日が最終日。いやはなかなか各地をやさすらったものだ。あとは尾道から徳島へ向けて帰るだけだ。帰り道も来たときと同じように四国フェリーで高松へ渡る。興味があった船内のお風呂であるが、興味があったので顔でも洗おうかと、ちょっと覗いてみることにした。覗くだけならただの変な人になってしまう。(え、ちがうんですか?)香川-岡山間のフェリーのはずなのに「土佐の湯」というネーミングが不可解ではあったが、帰りの船は「阿波の湯」だった。きっと「伊予の湯」と「讃岐の湯」を乗せた船もあるに違いない。
とうのお風呂ではあるが、かびが生えたような小汚く狭っくるしい風呂場を想像していたのだが、なかなかどうして。広々としたステンレスの浴槽はなみなみときれいなお湯をたたえ、洗い場も清潔である。おぉ、これはなかなか、、、。ちょっと顔を洗おうと思っていただけなのに、いつの間にか服を脱ぎ出すタケダであった。少し熱めの、かといって熱すぎないお湯に肩までつかり大きな溜息とともに旅の疲れを体から吐き出す。
湯上がりには客質に備えられたマッサージ機に体をゆだねる。こ、こりゃぁ、、、極楽極楽、、、。

□久々に長丁場の旅をした。基本的にはいたって不便な旅をいつもしている。しかし本人はそれを苦に思ったことは一度もない。時にビジネスホテルに宿泊することもあるが、どちらかと言えばその方が残念にすら思える。何でも至れり尽くせりの旅行ではない。自分の行きたいところへは自分で道を探して運転して行かなくてはならない。誰かが連れていってくれるわけではない。そもそも自分の“行きたい場所”を見つけなければならない。あぁ、、、またひとつ発見したかも。それが旅なのかもしれない。

 

あ〜楽しかった


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