[scudelia:cinema] Magical Mystery Tour
八百萬神々之國
date:2005/05/03 to 06
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□□□桃太郎伝説の地□□□
□少年山荘を後にし再び岡山市へ引き返す。旧山陽道に沿った吉備路は、岡山市、総社市、倉敷市、山手村、清音村、真備町にまたがり、大和と九州そして出雲と結ばれ、それぞれ異なった文化を生み出した。 □そしてダヤンダヤン号は『吉備津神社』へ向かうのであった。吉備津神社は童話桃太郎のモデルといわれる吉備津彦命(キビツヒコノミコト)を祀っている神社。タケダは以前、桃太郎伝説について少し調べたことがあり、この吉備津神社は一度訪れてみたいと思っていた場所だった。 |
![]() 桃太郎といえばきび団子 |
![]() 境内への山門 |
![]() 吉備津神社 |
□この桃太郎の物語は菅原道真(平安時代の学者兼政治家。学問の神様として知られ、京都の北野天満宮に祀られている。童謡“とうりゃんせ”の唄の中に登場する“天神様”のこと。)が著者ではないかという説もあるが、その辺はかななかあやしいのではないかとタケダは思っている。桃太郎伝説については概ねふたつに分かれる。まずはここ岡山県に伝わる吉備津彦が桃太郎であるという説。もうひとつは香川県の稚武彦命が桃太郎として伝わっている。全国的に桃太郎のモデルとして知られるのは吉備津彦であろうが、これはたまたま岡山が桃の産地だったり(逆に桃太郎伝説があるからこそ桃の生産に乗り出したのかもしれない)吉備津彦の名前がきび団子と結びついたからではないかと思われる。しかしながら岡山版桃太郎には鬼ヶ島は登場しない。反対に一般 的に知られるお伽噺としての桃太郎のストーリーは香川版桃太郎に近い。興味深いのは瀬戸内海を挟んでそれぞれ向かい合った土地に類似した伝説が残っていると言うことだ。 □まずは昼食代わりに境内前の土産屋でざるそばときび団子をいただく。桃太郎伝説の地を訪ねるのだからなにはなくともきび団子だろう。ちなみにこのきび団子には五穀(米、麦、粟、稗、黍)の中でもっとも黍が質素であることから倹約の美徳を説いているとも言われている。きっと後付の理屈だろう。同じように桃太郎の話の中には格言めいたことが所々に折り込まれているという説は有名。桃という植物も、神話(古事記、日本書紀)の中で伊弉諾尊(イザナギノミコト)が黄泉の国から逃げ帰るのを助けたことにより伊弉諾神宮(淡路島)にも神聖な植物として祀られている。 □吉備津神社の本殿と拝殿は、室町時代の造営になる国宝社殿で、檜皮葺きの入母屋をふたつ重ねた「比翼入母屋造り」で、他に類例を見ないこの様式は「吉備津造り」とも呼ばれている。 恒例になっているが有名神社を訪れるたびにお守りをもらって帰る(注:お守りやお札は“買う”とは言わない)。今まであちらこちらの神社を詣でているうちにいつのまにかお守りが沢山たまってしまった。まずは地元の大麻彦神社のお守りが交通 安全祈願のために車中にあるし、Macの横には香川県の金比羅宮(金比羅明神は天竺渡来の船の神様)、淡路島の伊弉諾神宮(日本列島を作った伊弉諾尊を祀る)、三重県の伊勢神宮(伊弉諾尊の子であり太陽神、天照大神を祀る)、京都の晴明神社(ご存知陰明師、安倍晴明)のお守りが並んでいる。これで合計6個目になる。それだけ神様が集まっていると干渉作用があるのではと思われがちだが、もともとこの国古来の神は八百万之神々と言われるようにあらゆるものに神が存在するという多神教なのだ。よって問題なし! |
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□ひとりの巫女が竈に火を入れて松葉を炊き、その火で鉄釜に湯を沸かし、もう一人の巫女が、玄米を入れた掻笥(かいげ)を甑〜今でいう蒸籠のような物〜の中で振る。続いて神職が祝詞をあげると、やがて釜が鳴り響き、その高低・大小・長短を聞き分けて、吉凶を占う。 |
□境内を散策していると大輪の牡丹の花の咲く庭に弓道場があり、ちょうど高校生の弓道部が試合をしていた。神社に奉納相撲をするための土俵があることはしばしばだが弓道場のあるケースは初めてだ。それでも神社では破魔弓などの弓の弦を指ではじいて祓いを行ったりするところに縁があるのだろうか。そうか、吉備津彦が温羅征伐の際に2本の矢を一度に射ったことに由来しているのかもしれない。 上長下短の弓は命中率は良くはなさそうに見えるが、なかなかどうして、器用に的に命中させている。袴姿が格好いいなぁ。 |
□□□全長7m巨大Zガンダム□□□
□あぁ、急がないと日が暮れてしまう。何としても6時までに「道の駅久米の里」というところにいかねばならない。ちょっとゆっくりしすぎたかも、、。 という感じで岡山県のほぼ中央にある津山市へ向かう。この津山市の久米という地域は豊かな自然と古い歴史に恵まれた場所なのだが、そういう場所を一般 的に「何もないトコロ」と人は呼ぶ。 しかしながらこの久米の里という道の駅には何よりも人の目を牽くものが存在している。それはなんと全長7メートルの巨大なモビルスーツ・Zガンダム。丁度一年ほど前、msいずみさんでそんな巨大なZガンダムがどこかにあるという話題に登ったのでチェックをしていた。 |
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□本機は、久米町宮部下在住の中元正一氏(1964生まれ)が、自ら設計図を描き独力で製作したもので、機体は鋼製の内部骨格、外装は繊維強化プラスチック製、脚部は動かせるように油圧シリンダー等が組み込まれている。 コクピット内に人が乗り込み操作できる二足歩行型有人汎用機械として、約七年の製作期間を経て1999年12月に誕生したもの。 主たるスペック:全高7.0m 全幅3.5m 重量2t 乗員1名。という一見嘘のような本当の話。間近で見てみてもクオリティーはかなり高い。 |
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□今さらZガンダムについての説明はこのサイトを見ているマニア諸氏には釈迦に説法と思われるので省くことにする。そんな諸氏が当然のように疑問に思うことにだけ書いておくことにしよう。タケダも思ったのだが、このZガンダム、概ねオリジナルのデザインに忠実に作成されているが、貴兄でなければ見落としてしまうような細かい部分のディティールが若干だけ異なる。それはこのモビルスーツ・Zガンダムはメカデザイナー藤田一巳氏が作品に登場したZガンダムにデザイナー自身が、さらに手をくわえたものだかららしい。背中のウェーブライダーが無いことについてはご愛敬だろう。 このガンダム、近辺では有名らしく、夕方だというのに沢山の親子連れや、ちょっと特殊な感じのする人が沢山訪れていた。 |
□夜間に悪戯をされたり、誤って登ったりして事故がないように、このZガンダムは午後6時になると格納庫のシャッターが降りるようになっている。BGMは「螢の光」だ。このシャッターを閉めるところを観ようと待ちかまえている人たちも少なくない。かくいうタケダもその一人。 □道の駅の売店で右の写真の「蒜山高原ジャージー・飲むヨーグルト」を売っていた。蒜山高原も行ってみたいと思ってはいたのだが、どうしても今晩中に鳥取県入りをしたかったのでスケジュールから外した。せめてもと思いここで蒜山高原の気分だけを味わうことにする。ちなみに同じ製品が徳島のキョーエイにも売られている。なんだかなぁ、、、。 |
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□□□夜と寝床と独歩とおやすみなさい□□□
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□おもいのほか砂丘は遠かった。無理もない、今日一日で日本列島をほぼ太平洋側から日本海まで移動したのだから。明朝は一番で砂丘を訪れようと思っている。アクセスを考えると出来るだけ近くに寝床を陣取りたい。しかし地図では近くにあるのはすべて有料駐車場ばかりで、道の駅となると数十キロ離れたところばかりだ。とりあえず近くまで行けばそれらしいところを見つけられるだろうと一旦砂丘まで行ってみることにした。 時間も遅かったので今夜は郊外のファミレスですませて近くのジャスコで今夜の酒の肴を物色&ビールを冷やすための氷(無料なんだよなぁ、最近)を得る。 ビールは岡山で地ビールの「独歩」(もちろん国木田独歩からのネーミングだろう)を買っておいた。 |
タケダの旅のセオリーで「誰もいない時間に行く」というのがある。せっかく風光明媚な景勝地でも人混みが覆い尽くせば風情もなにもあったものではない。ゆえに誰も行きそうにないスポットにいくか、さもなくば誰もまだ来ない早朝の時間を狙うかにしている。写 真の背後の暗闇には実は鳥取大砂丘が横たわっている。そろそろ風が出てきたか、“アレ”のためにはちょうど良い。 □さて、今日も一日フルに使い果たしたので疲れた。そろそろ寝るとするか。小さく見えるワゴンRも前後のシートを倒しフラットにすれば広大な内積が現れる。まずは後部のウインドーに網戸をして(オプションで売っている)周囲に暗幕をかける(ハンドメイド製)。いくら日中は暖かいとはいえ5月の夜はまだ寒い。寝袋の下に毛布を敷いて寝る。いつもは空気で膨らますトラベルピローを使うのだが、今回は思うところあっていつも使っている枕を持参した。バッチシである。枕が変わっては眠れないとはよく言ったものだ。 |
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