MeCan(吉見農園)  愛媛の南西部で柑橘栽培

害虫について          


柑橘を育てる場合、毎年悩まされる害虫の主な物は次の通り

1 カメムシの仲間 
主に害を起こすのは上の2種
ツヤアオカメムシ 駆除には主にアルバリンを使用
全身が光沢の強い緑色一色のカメムシ。
森林やその周辺で見られ、キリ、クワ、スギなどの樹上にいる。
ミカン、カキ、モモなどの汁を吸って害を与える。灯火にもよく飛来する。
アオクサカメムシより一回り大きく、表面に独特のつやがある。
さまざまな果物につくが、繁殖に必要な餌はスギ、ヒノキの球果内部の種子である。


チャバネアオカメムシ
駆除には主にアルバリンを使用

美しい黄緑色で、その名のとおり翅の部分が茶色いアオカメムシ。
雑木林の周辺で見られ、サクラやクワの実の汁を吸う。
ミカン、カキ、ナシなど、果樹園の果実を食害する。夜、灯火にも良く飛んでくる。

様々な果物や野菜の果実に被害を与えるが、繁殖に必要な餌はツヤアオカメムシと同様
スギ、ヒノキの球果内部の種子である。


間違えやすい近種(柑橘ではない植物への被害が多い)
ミナミアオカメムシ
ミナミアオカメムシやアオクサカメムシ等は多食性である。
本種はイネ科の害虫としてもよく知られ、斑点米の原因ともなり、大豆、野菜類なども好む。
体長は約10mmで、成虫で越冬し春になると活動し、春から秋にかけて様々な植物の子実を吸汁する。
幼虫の期間は約30日前後である。
孵化直後は多くは淡黄色で、その後黒色あるいは緑色、稀に赤色もあるが、
共通するのは背に写真のような、白色の規則的な斑点をもつことである。
成虫は羽化後20日前後で産卵を始め、成虫である期間は平均40日前後である。


アオクサカメムシ
光沢のない緑色のカメムシ。ミナミアオカメムシと同様に色彩変異が多い。

マメ科、イネ科、キク科など、広範囲の植物の汁を吸う。野菜や果樹の害虫としても知られる。


エゾアオカメムシ
光沢のある黄緑色で、腹部の背面が濃褐色のカメムシ。

山地の草むらで見られる。マメ科、キク科などの植物に付く。


2 その他の害虫
カイガラムシ マシン油乳剤を冬に散布、スプラサイド乳剤を散布。幼虫の呼吸を止めて駆除する。
カメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科に分類される昆虫
腹吻群の昆虫は、基本的に長い口吻(口針)を植物組織に深く差し込んで、あまり動かずに篩管液などの食物を継続摂取する生活をし、しばしば生活史の一時期や生涯を通じて、ほとんど動かない生活をする種が知られる。
その中でもカイガラムシ上科は特にそのような傾向が著しく、多くの場合に脚が退化する傾向にあり、一般的に移動能力は極めて制限されている。

ミカンキイロアザミウマ ハチハチフロアブルを散布
成微小で細い体型の昆虫で、翅は膜質でなく棒状の本体に細かい房状の毛が羽毛のように密生する形になる。
一般に体長は1mm以下で、飛翔能力は乏しいが風に乗って遠くへ移動する。
口器は左右非対称のパーツが円錐状に組み合わさっていて吸汁用に特殊化しており、いずれも穴を開け内容物を吸い取る摂食法を行う。
幼虫が葉や花の表面組織から汁液を吸収することにより、変色、萎縮、奇形等の被害をもたらす。
また、排泄物の付着による汚れや、ウイルス病の媒介者としても注意が必要である。

ゴマダラカミキリ スプラサイド乳剤を散布。
ゴマダラカミキリは幼虫の食樹、成虫の後食対象ともに生木であるが、食樹が非常に幅広いのが特徴で、ミカン類の他果樹多岐にわたる。
果樹や街路樹として利用される木にもやってくるので都市部でも姿を見ることができ、比較的大型で目立つ体色であることも相まってよく知ら
れたカミキリムシとなっている。
幼虫が材部を掘り進むと直径1cm-2cmほどの坑道ができ、木の強度が弱くなって折れやすくなる他、ダメージを負った樹木は成長不良に陥
り、枯死することもある。
果樹や街路樹に被害が出ることもあり、特にミカン農家はゴマダラカミキリは重要な害虫の一つとして警戒している。

アゲハチョウ 見つけて処分
アゲハは揚羽蝶(アゲハチョウ)の幼虫で、葉を食害するイモムシ。
種類によって食性・発生しやすい植物は異なり、ミカン・レモン等のかんきつ類に発生しやすい。
幼齢幼虫(4齢幼虫までの幼虫)のときは黒褐色に白色の帯模様の種類が多い。
数度の脱皮を経て終齢幼虫(5齢幼虫)になり、緑っぽい体色に変化する。
日本で見られる一般的なのはナミアゲハ。
その他、キアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、ナガサキアゲハ等、様々な種類のアゲハが見られる。

ヨコバイ アルバリンを散布
セミ類に近い一群で、それを微小にしたような姿をしている。
学名も Cicada(蝉)+ ella(縮小辞)で「小さいセミ」の意。
日本語では、歩くときに横にずれながら移動するため「横這い」の名が付いた。
イネの害虫として知られるツマグロヨコバイや、一部の地域で「バナナ虫」という俗称で知られるツマグロオオヨコバイなどもこの科の昆虫である。
幼虫、成虫とも植物の液汁を吸う生活をしているため園芸植物や農作物にとっての害虫である。