MeCan(吉見農園)  愛媛の南西部で柑橘栽培

病気について


柑橘が感染する主な病気は次の通り
1 黒点病 ジマンダイセンを散布 枯れ枝を細かく切除する事も最大の防除
葉、果実、枝に発生する。ふつうは組織の表面に黒い小さい斑点がポツポツできる。
感染時の病原菌の密度が低い場合には0.1〜0.5mmの黒色で円形の黒点となるが、
密度が高い場合には雨滴の流れた跡が発病して涙斑状となり、さらに果実一面に感染して発病時期により泥塊状となる。
枯れ枝に柄子殻をつくりその中の胞子の形で冬を越す。気温が20℃前後になって雨などで濡れた状態になると、粘質物と混ざった胞子が胞子角となって柄
子殻から出る。
胞子角が雨滴により溶かされると、胞子は雨滴とともに飛び散る。
胞子が葉や果実に到達すると、20〜27℃で水滴の中で発芽して感染して黒点などができる。
胞子は雨滴とともに、何かの事情で出来た枯れ枝や落ちている枝にも感染する。
一旦枯れ枝に本病原菌がまん延すると、菌は3年ほど生存して降雨の度に胞子を出して感染源となる。

2 潰瘍病 IC−ボルド−を散布
 
葉、果実、緑枝に褐色のコルク化した病斑を形成する。
ネーブル、レモンが最も弱く、他の中晩柑類も弱い。
これらの品種では病斑が大きいので商品価値がなくなる。
温州みかんではほとんど問題にならないが、高糖系温州は比較的弱い。
発病葉は落葉しやすく、特に葉柄部の発病は落葉を助長する。春葉の病斑は、はじめ円形、淡黄色、水浸状の斑点で、後に拡大して中央部がコルク化し
て粗造
となり、その周囲0.5mm幅が水浸状、さらにその周囲にかなり広い黄色のハローを生じる。
葉裏の病斑部もコルク化し粗造となるが、淡褐色の盛り上がったかさぶたとなる。
夏、秋葉では、ミカンハモグリガの食害や風ずれなどの傷口から侵入することが多いので、一般に傷口に沿った形の病斑の集合となりやすい。
葉柄も侵されやすく、激しく落葉する。
果実、緑枝では、はじめ水浸状濃緑色の病斑ができ、のちにコルク化して淡褐色の盛り上がったかさぶたとなる。

3 その他の病気
(1)そうか病 本農園においては発生事例なし
  葉、果実、枝に発生する。葉や果実ではいぼのように飛び出したいぼ型病斑と、表面がそれほど飛び出さずにガサガサしたかさぶた状になるそうか型
病斑がある。
比較的菌密度の低い早い時期に感染した場合いぼ型病斑となり、菌密度の高まった後期に感染した場合にそうか型病斑となる。
枝ではいぼ型になることはなく、すべてそうか型になる。
(2)灰色カビ病 本農園においては発生事例なし
開花後の花弁に灰色かび病菌が寄生し、これが果実に付着して、果皮の表面がカサブタ状となる。
傷の多い果実は落果することもある。果実の肥大とともにカサブタも拡大し、表面がヒビ割れてくる。
収穫期になるとカサブタはややくぼんで不整形になり、銀白色の傷として残り、商品価値を失う。
また、貯蔵中に灰色のかびを生じて腐敗することもある。
花や野菜、雑草等で発生した胞子が空中に浮遊しており、その胞子が花弁に付着、褐変とともに花弁発病し、
幼果の付着部が傷害となる。多発の場合は落果する。
(3)褐色腐敗菌 本農園においては発生事例なし
菌糸及び卵胞子で土壌中で越年し、翌年適当な土壌水分と温度条件下で遊走子のうを形成し、遊走子を放出して伝染する。
伝染は主として水媒伝染で、べん毛を持った遊走子が水中を遊泳して伝染する。
本菌の生育適温は28℃で高温性の菌である。
主に、雨水などの跳ね返りで地際部の果実に伝搬する。