2002 summer aso-retry touring
page-1

 p r o l o g u e

何年も前のことになるがこんな夢を見た・・・・
出張先の中国からの帰りの空港で僕は出国の手続きを待っていた。そこへ突然、国内の情勢が怪しくなり僕は帰国出来なくなってしまう。そこへ見知らぬ 小さな孫連れの老人が別のルートに便乗させやると云うので、渡に船とばかりに相乗りのトラックの荷台に飛び乗った。しかしながら僕を乗せたトラックは内地へ向かうばかりで一向に日本へ帰れそうな雰囲気がしない。老人を問いただすと、日本へ向かうなんて最初から云っていないという始末。時間が経つにつれて焦燥が薄れてゆきこの状況を受け入れることが出来るようになってくる。予期せぬ 旅路の空を見上げながら僕は老人に尋ねる。「今度またこうしてこの国を旅しようと思えばどれだけお金があればいいでしょうね」老人は答える。「お金の心配なんかしている内に歳をとってしまうよ」・・・・そこで目が覚めた。
ちょうど2年前初めてのロングツーリングに出ようと決めた頃だったと思う。そして僕は九州へ旅発ち、次の年には能登半島を旅した。あれからまた地球が365回転しながら太陽の周りを一周し、またここへ戻ってきた。

 

旅に出ようぜ、ベイビー!!

いつの間にかこの『夏のツーリング』を中心として一年が廻るようになってしまっている。夏に照準を合わせてオートバイも整備してきたし、去年より少し旅の道具も揃えたりもした。しかしここへ来てもまだ目的地が決まっていない。漠然と九州へ行こう、前回行けなかった阿蘇の中岳を目指そうと思つつ(2000年 九州ツーリングを参照)一方では最南端の佐多岬も行きたいとも思っている。日程も限られる。地図と相談するが答えが出ない。九州に上陸するまでに考えるとするか。
8月13日(火)4:00起床。支度をすませ4:50出発。まだ夜明け前、気温摂氏24°、8月の真ん中とはいえ早朝は肌寒く感じる。例のごとく脇町インターまで走りそこから高速道路を使う。アクセルを大きく開けていくにつれて僕と繋がっている日常が振り切れていく。6:00頃バックミラーの中に朝日が昇っていく。気持ちが紅葉(注:高揚の間違いです)して行く。


四国縦貫道を平均120~140(注:スピードメーターではありません)の間で流しながら快走。防風効果 のほとんど無いカウルしかついていないため走行風をかなり浴びながら走るのでちと疲れる。愛媛県に入った頃、遅い先頭車両を追い抜き車線で追い抜き大きく差を開けて走っていた。長めのトンネルの中でまた遅い車に捕まる。トンネルを抜けると同時に2車線になったので追い抜きにかかる。かなり差のついていたはずの後続車のヘッドライトが早くもトンネルの出口まで来ている。変だなぁ、と思っていたらヘッドライトの正体が明るみに出てきた。カレラである、それも水冷。いわゆる“デカ尻女”だ。思考する間もなくタコメーターを2500ほど上乗せして160まで加速する(注:いや、違いますよ、スピードメーターじゃありませんって)。向こうが加速してきたので車線を左に移しながら加速する。一応フェアを通 したつもりだ。ミラーでアドバンスを見るが居ない。死角か。っと思った瞬間右側をあっけなく抜かれてしまいました。また先行車にかかっている内に路肩から相手をパスし前に出ておく。次の追い越し区間、今度はアクセルを全部開ける。メーターの針を200まであと数ミリのところまで持ち上げるが(注:違うって云ってるでしょう)それでも軽々先行を許してしまう。ふ~、今日は引き分けってところか。(脇町~大洲間・3500円)

道の駅から見える伊方原発
弁当食ってるし・・・

大洲インターを越えると大洲道路という新しいバイパスが出来ていた。面倒な山道を回避できるのでとても助かる。三崎半島を伊方原発を横目に快走。
9:00 三崎港へ到着。ここで某大手商社マンの徳山氏をキャッチ。彼が同じタイミングで同じルートを走ることは数日前に分かっていた。予測通 り港で合流。真夏だというのに徳山氏は革パンツとジャンバーという正装の出で立ち。ここにいるのは“商社マン徳山氏”ではなく“ライダー徳山”という非日常。

国道九四フェリー(三崎~佐賀関)一日10便、ほぼ1日中ピストン運行。人と大型バイク込みで1830円。所要時間70分。

 

10:40 大分県の佐賀関へ到着。港の近くに関サバの看板をたてた食堂が何軒かある。一度、関サバ食べてみたいなぁ。航行中の検討で阿蘇を廻ってから鹿児島も目指すというルートに決定。それと徳山氏の希望で湯布院まで先導することになった。R197と県道22を繋いで別 府タワーの辺から山へ上がっていく。由布岳が見えてくればいよいよ「九州へ来たぞー感」満点でイイ感じである。湯布院にてお蕎麦で昼食。


由 布 岳


湯 布 院

 

 
さて、いよいよ『やまなみハイウェイ』へ入っていく。その視界には阿蘇の外輪山や高原が広る九州の旅の醍醐味中の醍醐味。本当に無料で良いのと思ってしまう。「脇見に注意」と描かれた看板が目る。そりゃぁ景色綺麗だもんねぇ。長者原で記念撮影。正面 に見える山からは噴煙が上がっている。ここから二人は同じく阿蘇山を目指すがそこへのルートが違ってくる。徳山氏は久住へ進み、僕は反対側の大観峰を目指す。旅は道連れとはういうが、彼は彼の、僕は僕の地図の上で旅をしている。彼の進んだ先にはどんな景色が広がるのだろう、そして僕の進む先には・・・。

 


●next page●


Tourist Blue Island : index

[scudelia:cinema]