A:クーリングファンのメモリが前回エンジン停止時の高温状態を記憶したままリセットされていないことで起こるようです。しばらく走ってエンジンの回転数を一度上げてやると元に戻るようです。故障ではなく、全国のオーナーが経験しています。どうも湿度が高い時に再現性があるようです。
2004/02/15追記:本家BBSでわんこさんが書き込まれていた内容を保存版として転記させていただきました。わんこさん、ありがとうございました。
一般的なファンは、エンジンの回転をベルトでフルードカップリング(粘性クラッチ)を回転させてファンを回しています。この粘性クラッチは、ラジエータを通過した空気の温度によってその滑りをコントロールしています。つまり、通過空気が冷たい時は、粘性クラッチの滑りが多くファンの回転数は低くなり、暖かい時は滑りが少なくなりファンの回転数は高くなります。
ところが、トレブレのクーリングファンはかなり特殊です。機械的には、粘性クラッチを利用しているのですが、その回転はPCM(パワートレインコントロールモジュール)によって、冷却水温、エンジン負荷、車速、ファン速度などの条件によりコンピュタ制御されています。構造的には、粘性クラッチ内のシリコンオイルの流量をPWM制御された電磁バルブによって変化させて、滑りをコントロールしています。そのために、ファン回転数をホール素子を利用した回転センサーで常にモニターしています。...と、驚くような制御ですが、落とし穴があります。次のような状態の時には、エンジン始動時に完全締結(スリップゼロ)したままになってしまいます。
1.PCMが冷却を必要としてファンクラッチを完全締結させたときに偶然エンジンを止めた場合、次回の始動時にクラッチが完全締結したまま始動してしまいます。
2.エンジンの停止時間が長い場合(夜間など)、シリコンオイルが作動チャンバー内に自重で溜まってしまい、完全締結したままエンジンが始動することがあります。
締結が外れるための条件として、エンジン回転が2000回転以上で約2分間を必要とします。このエンジン回転が2000回転以下だと更に時間がかかります。また、外気温が低い時にも時間がかかります。ちょっと腑に落ちない状態ですが、メーカー曰く、機構上はこれで正常なのです。クーリングファンは、一般の方が想像されるより相当の空気抵抗があり、あれだけのファンが全開で回転すると、相当のレスポンス低下を招きます。
最後に、カップリングクラッチの機械的な故障もありますから、気になるようでしたら販売店サービスにて状態を詳しく説明し、診てもらってください。
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