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南川横井にある滝の宮神社の南に、一基の登り窯跡がある。この窯は、同地の斉藤要助が、江戸期の文化初年から作陶をはじめた斉藤窯(地名から横井窯ともいう)の窯跡である。
窯の規模は、未発掘のため明確ではないが、焼成室三房ないし四房程度の登り窯で、吉金窯に比べると半分程度の規模ではないかと考えられる。それでも、斉藤家の記録によれば、この窯の操業に80人ほどの人たちを使っていたと記されている。
焼成器種は、周辺に散在する破片から推定して、茶碗・皿・重ね鉢等の「磁器」と植木鉢・水鉢・徳利・油壺のほかに灯器及び土管等の「陶器」で、いずれも当時の人々が必要とした日曜雑器が焼成されている。

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