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富田茶臼山古墳の後円部東端に「通り池」(現在は公園)があり、口碑にこの池を掘った際、この本尊の石仏が出たのでそれを祀ったといい地名も弥勒と言っている。もとこの池の西渚に庵があって安置されていたといわれ、後に現在地に移り、今はブロック建(二間四方)の堂内に安置されている。
本尊の石仏は凝灰岩造りで基礎、連座を置きその上に安座しているが頭部は欠落しており、現在は別のものを据えている。膝も二つに割れており、手法やや素朴であるが大きめである。三道までの像高は97センチ、条帛(又は衲衣)の痕跡が残っている。直径76センチの連弁に結跏趺座している。
蓮華座のうち返花は連弁に比べて彫が深く丁寧である。弥勒信仰の流行とか凝灰岩の石造物の建立から考えると中世以降の作であると思われる。この弥勒菩薩を中心として大日如来坐像、宝莢印塔等が安置されている。

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