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川東の五輪塔は、富田中字土居、長福寺跡と呼ばれる西側の雑木林の南面に散乱していた各部材を復元したものである。材質は通称火山石と呼ばれる硬質の凝灰岩で各部材とも揃っている。
総高183.1センチを測り、六尺塔であることがわかる。基礎は高さ32.7センチ、幅は上端、下端とも84.0センチで四面とも素面である。上端はほお水平で、水輪を固定するために直径53.0センチ程度の浅い凹みが穿たれているが不明である。
塔身は高さ58.5センチ、最大径は上端から27.0センチの箇所にあり、直径82.0センチを測り、やや押しつぶされた球形を呈する。屋蓋は高さ56.8センチ、軒部の厚さは中央で15.0センチでやや内面に傾斜している。請花は高さ14.8センチ、宝珠の高さ19.0センチを測り一石で造られているが、屋蓋のほぞ穴に一致しないことから他の五輪塔の部材の可能性が高い。
大川町史では屋蓋の軒端が垂直にならずやや内傾すること等の特徴から制作年代は鎌倉時代末期から室町時代初頭と比定しているが、塔身がやや押しつぶされた球形を呈し、基礎の幅に対する高さの比率が低いことなど五輪塔としては非常に古い特色を示している。

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