7章 1〜10節

「百卒長」 というのは、ローマの兵隊百人で構成される部隊の隊長でした。ふつうローマの兵隊たちは、占領していたユダヤの人々に反感を持たれていました。

しかし、この百卒長はユダヤ人を愛して会堂をたてたと言われていますから、ユダヤ教に改宗していたのかもしれません。そして、ユダヤの長老たちが使いになって熱心に願ってくれるくらい、ユダヤ人からも慕われていたわけです。

おまけに僕(つまり奴隷)の病気を本気で心配しているところなどを見ますと、この百卒長という人が、統率力があり、真実を求め、偏見なく人に接し、人望も厚い人格者であったということがわかります。

ところが、イエスさまが非常に感心して、これほどの信仰はイスラエルの中でも見たことがないと言ったのは、この百卒長がそのような人格者であったからではありませんでした。

軍隊の中では上からの命令は絶対でした。彼はその中で、権威ある者のことばがどういうものか、はっきりと知っていたのでした。

つまり彼は、イエスさまの権威というものを信じていて、そのイエスさまのおことばさえいただければ、病気は治ると信じていたのでした。そしてこの信仰をイエスさまはほめちぎったわけです。

ここには、聖書は神のことばであると告白するクリスチャンもみならわなければならない姿があるといえるのではないでしょうか。

 

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