5章 1〜11節

シモン・ペテロさんの登場です。ペテロさんもカペナウムの住人でしたから、安息日には会堂でイエスさまの話を聞き、奇蹟を見たでしょう。病気をなおしてもらったしゅうとめが、イエスさまをもてなしたのですから、その場にペテロさんもいたはずで、イエスさまと近しく接したはずです。

でもそれだけでは、ペテロさんはまだ、イエスさまに従う人にはなっていませんでした。むしろ自分の仕事である漁に精を出して、夜通し働いていたのです。

そしてそこにイエスさまがやって来て、自分の舟に乗って人々を教えました。ところがここで、ペテロさんにとって大事件が起こりました。イエスさまのことば通りにすると、すごい大漁であったのです。

ペテロさんはプロの漁師ですから、ゲネサレ湖の魚については、ナザレの石大工のイエスさまより、はるかに詳しいはずです。ペテロさんは急にイエスさまのことが、ただ今評判のえらい先生というのでなく、何かとんでもないおそるべき存在だと直感したのでしょう。

「いっさいを捨ててイエスに従った」 ということは、ナザレやカペナウムの町の人たちのように、自分の都合でイエスさまを考えるのではなく、イエスさまの都合に自分を従わせる、ということなのです。

 

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