4章 14〜30節
公に活動を開始したイエスさまが、郷里であるナザレの町に帰ってきました。ガリラヤ地方の町々を巡って尊敬を受けた、今評判のイエスさまが帰って来るというので、ナザレの町の人たちは会堂におおぜい集まったことでしょう。
よくオリンピックの金メダリストや、また大相撲の優勝者などが郷里の町に帰ったときの大騒ぎが、テレビのニュースなどで報道されますが、それらと同じような雰囲気が、このナザレの会堂にもあったことでしょう。
金メダリストや優勝者が、「みなさんの応援のおかげです」 とか、「郷里を誇りに思います」 とか言うと、ますます町の人々の熱狂度は増していきます。
しかし、もしも 「別にみなさんの応援など関係ない。自分の力で勝ったんだ」 などと言ったりしたら、たちまち人気はガタ落ち、「高慢ちきなやつだ、町の恥だ」 とののしられ、町をおい出されることでしょう。
ナザレの町の人たちも、イエスさまが郷里の町で何か特別なことをすると期待していたようですが、イエスさまはそれをしないばかりか、かえって耳ざわりのよくないことまで言いだすので、怒り始めたにちがいありません。
ナザレの町の人々は、そういう無責任なやじ馬根性でイエスさまを見に来ていたにすぎないということがわかります。