3章 21〜38節

三位一体というキリスト教用語を知っていると思います。聖書の神さまは、父、子、聖霊の三つの位格(人間でいえば人格)をもった、一つの神さまなのです。この箇所で、この神さまの三位格がそろって登場しています。

子なる神イエス・キリストの上に、聖霊なる神が下り、天から父なる神の声がかかりました。こうしてイエスさまの宣教は始まりました。

以前に話しましたように、イエスさまは12歳の時、すでに自分が神の子であると自覚していましたが、ここで父なる神の公の宣言のもとに、神の子救い主としての公の生涯が始まったのです。

たしかにイエスさまは人間でした。およそ30歳の肉体をもったユダヤ人であり、人間ヨセフとマリヤの子だと考えられていました。そしてそれと同時にイエスさまは永遠の神であり、父なる神さまの愛する御子であるのです。このことはイエスさまという方の二つの大きな側面です。

もし神という側面ばかりが強調されると、イエスさまは私たちからはかけ離れた雲の上の存在になってしまうし、逆に人間という側面ばかりが強調されると、イエスさまは狂信者あるいはただの偉人ということになってしまいます。

私たちはバランスのとれた視点でイエスさまという方を見つめなければならないと思います。

 

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