3章 15〜20節
バプテスマのヨハネの役目は、悔い改めた人々を救い主のために準備することでしたが、悔い改めない人々もいました。ここに登場する領主ヘロデもそのひとりです。彼は、イエスさまの誕生のおり、その命をねらったヘロデ大王の子です。
さて、19,20節をみると、この領主ヘロデはすごい悪人のような印象を受けますが、マルコによる福音書の 6:14〜29で、特に20節などを見てみますと、彼は決して良心のかけらもない極悪非道のならず者というわけではなかったことがわかります。
彼は自分のしていることが悪いことだと知っていたし、正しいものや聖なるものへの畏れももっていました。しかし、悩みながらもついに悔い改めることなく、ずるずると悪事を重ねていくことになりました。
人の心とは不思議なもので、まあほんのささいなことだからと、自分の悪事を見のがすと、次にはもう少し大きな悪事も見のがし、徐々にエスカレートしていき、心は責められながらもそれをごまかしてしまうようになります。
領主ヘロデもヨハネに非難されたときに思い切って悔い改めればよかったのですが、その決心をのばしのばししているうちに、ついに機会を失ってしまいました。
ヨハネのあとに来る救い主は、悔い改めて良い実を結ぶものと、そうでない者をさばくお方でもあるのです。そう思うと、ぐっと身がひきしまるような思いにならないでしょうか。