2章 40〜52節

イエスさまの生涯を描いた4つの福音書の中で、イエスさまの少年時代について記されているのは、この箇所だけです。語るマリヤさんにとっても、印象深いできごとであったのでしょう。

イエスさまというお方について考えるとき、いったいイエスさまはいつごろから自分が神の御子キリストであるということを自覚していたのだろう、と考えることがあります。まさかオギャーと生まれたときから、「わたしは神の子だ」 と思っていたわけではないでしょう。

では、いったいいつごろから? と考えるとき、この12歳の時の 「わたしが自分の父の家にいるはずのことを・・・」 というひとことは、もうすでにこのころ、イエスさまはご自分のことを神の子だと意識していたのだなあと知らされます。

そして、もうひとつ印象的なのは、その次に記されていることです。イエスさまはナザレに下って行き、両親に仕えた、というのです。

イエスさまは神の子です。神の子なら、父の家(神殿)にいるのが当然、人間たちに仕えられるのが当然、ではないでしょうか。しかしイエスさまは神の子であるのに、神殿を去ってナザレに下り、両親に仕えたのです。まさに、飼い葉おけをそのしるしとした救い主にふさわしい少年時代と言えるのではないでしょうか。

 

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