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澤原 勇 さん ・・・平成21年6月21日・・・

 今日はWCT(西日本チヌかかりトーナメント)の予選が行われている最中、5号筏に上陸!
11時くらいまでに25cmくらいのチヌを2匹釣り上げ、ボウズは免れていたので少し上機嫌な時♪
「ドッ・ド・ド・ドッ・ザ・ザーアーアー」
目の前から勢いよく卓丸が白波をたてながら近づいてきた。
「澤原さん、一緒に乗らしてー」と、
少し、バツが悪そうに苦笑いを浮かべ、無駄に日焼けした黒い顔が、ニヤニヤしている船長の横から声をかけてきた。
“えっつ!どないしたん?”と言葉を返すや否や筏に荷物を降ろし出す。
その人とは・
 いつも我が倶楽部のメンバーへのアドバイスやオリジナル竿を作っていただいている名手・北さんだった。
WCTの予選に参加していたのだが、初戦の匹数がゼロ匹同士で、ジャンケンでの勝負で負けたらしい。
“へえぇ〜、トーナメントはジャンケンも強くないとあかんのや”
そのジャンケンの弱かった北さん、一緒に釣ると思いきや
「ほんま疲れましたわ〜。あかん・眠たい。ちと寝ますわ」と、いきなり横になり、しばらくすると
「ぐっ・グウ〜・グウ〜」と豪快にいびきをかいて眠り出すではないか。
折角、名手に教えてもらうええ機会やのに寝てしまうなんて・・・。
『まあ、しゃあない・・・ まてよ・せやせや、寝てる間にちょっとぎょうさん釣ってびっくりさせたろぉっと・』と、そそくさと座に戻り竿を握りしめた。
 かなりの時間が経ったであろうか昼過ぎになるが、潮が緩んで小魚のアタリも少なくなり、ダンゴを握っては落とし・握っては落とし。ボケてしまった老人のように一点を見つめて同じ作業を繰り返す・握っては落とし・・。握っては落とし・・・。握っては落とし・・・・。
 後ろを振り向くが死んだように反応なし。
『ふあぁぁあ〜・なんかぁ〜、こっちまで眠たくなってきたなぁ〜。しかしこの人、我が家に居るようによう寝るわ・・・』
 しばらくするとあまり動かなかった潮がゆっくりと足下に流れ始めてきた。
ダンゴから抜けた刺し餌を、流れに合わせた感じで送っていくと、
『コンッ・・・・・クゥ〜』“おっつ!!初心者の自分でもよく解るチヌアタリ!! おりゃっ!!”
『キュ〜ゥン』 “きた・きた” 久しぶりに銀色のこちぬが姿を現す!
流していくと同じパターンでまたきた・きた〜♪
 釣り上げたチヌちゃんを筏の上でバタバタ暴れさせていると、
『ふぁあ〜あ〜・・・・おっつ!釣ってますやん。 ひょっとして時合い?』
し・しまった!もうちょっと寝ていてくれたら、もうちょっとぎょうさん釣ってびっくりさせたのに・・・
目覚めた獅子があくびをしながら自作の竿を手にし、得意の漬け込みコーンで流していく。
『ビシュッツ!』竿をうならせチヌを小気味よく上げてくる。
実に楽しそうだ。『ビシュッツ!』楽しそう。『ビシュッツ!』・・・。『ビシュッツ!』自分だけが楽しそう・
『ちょっと、き・た・さ・ん・レクチャーは・? してくれないの・・?』と思っていると
「今、時合いっスよっつ!ヨンマルのチャンスかも」とポンピングをしながら私の方を向いてゲキを飛ばす。
“ヨンマル”その言葉に火がついた!
 潮が足元に更に速く流れていく。ダンゴから刺し餌が抜けると浮いていく感じだ。
流れについて行けずに刺し餌が浮き過ぎたと思い、回収しようとリールのハンドルを手に掛けた時、チヌアタリがっつ!?
慌てて“おりゃつ!”と合わせると、ピカピカ小さめ銀色が上がってくるではないか。
『へぇえ〜こんな底から浮いてても釣れるんや』(多分・ひとヒロくらいやと思います)
釣れない時に船長が「上の方探ったか?意外にボラの上におったりするんよ。」という言葉を思い出す。
座り過ぎて、ちと腰が重くなってきたのと、内に速く入り込む潮なので穂先の送り幅が大きくとれるので、
『よし、立って釣ってみよう』とやってみると意外に釣りやすい。
 シラサエビを刺し餌にして底をとった後、ゆっくりと巻き上げわざとに刺し餌を浮かす。
どんどん送っていくと、前アタリみたいなものが・? 少し止めていると・
『ガンッツ!!』 『ギューゥウーン!!』 “あっっっつわっつ〜!!” 今までにない強烈な引きだ!!右に左に走りまくる!“あちゃちゃちゃちゃあ〜!!” 
私の慌てようと、竿のしなりを確認した北さんが
「こりゃ、でかいんとちゃうかあ! 澤原さぁ〜ん 慎重に、慎重に!」と声を掛けてくれる。
“慎重にとゆうたって・・・あっわわわぁ〜”  すったもんだしている間に何とかだいぶ上がってきたと思ったので今度は片手で手網を捜す。
一瞬、後ろをチラ見すると、すぐ側に北さんが手網を持って準備していてくれてるではないか!
 “後光が差してる・・・ あんた、後光が差してるよっ!”そのお顔をゆっくりと眺めていたいが、そんな余裕なんて全くない。 
『頼む。ヨンマルであってくれ!頼む!』 
北さん:「おっつ!これはヨンマルいったんとちゃう?」浮いてきた魚を、手網でゆっくりとすくってくれた。
手網の中には・・・
銀色に、ヒレの先が黄色の・・・。  キビレ・・・ちぬ。

 ふたりは顔を合わして大笑い!
計ってみようと、メジャーで計測するが丁度40cmくらいで、どっちでもとれるピッタンコサイズ・
“また、このサイズかぁ〜。 微妙やけど、キビレやし〜” 
 北さんは「キビレやけど、ヨンマルでしょヨンマル!別にええんとちゃう」とフォローしてくれる。
『キビレで、喜びはイマイチやけど、ヨンマルとして認めてくれるんやったら、やっぱりそれはそれで嬉しい』と素直に思った。 
 しかし、うかつにここで自己判断すると、船長にあの白黒写真にされ辱めを受けたことが頭によぎる。 
やはり、最終判断は船長に委ねようと、ふたりの意見が一致し、卓丸が迎えにくるのを待った。
『ド・ド・ド・ザァー』卓丸が大勢のお客さんを乗せて迎えに来た。 お客さんの中には、倶楽部のメンバーのNKさん・チヌ尋さん・ホネオくんとサトちゃんらの顔も混じってる。
 ヨンサマ微妙なキビレの入ったタライを船長の運転するすぐ後ろへ積み込む。 
 “よいしょっ!”   ドサッツ・
 “せんちょ〜う・どうっつすか? これはどうですかぁ?キビレやけど・・・”と少し声高らかに・
周りのみんなも「おっつ!でかい!」 
 船長:「うっ・ これは・・・ううっ・ちょっとまてまて〜ぇ」 あきらかに動揺している様子。 
得意のL型金尺で採寸『・・・・ちっつ・・』
 重苦しいこの空気・・・・・入試の合格発表を待つ感じだ。
喉が渇き、唾を呑む。 喉仏が大きく上下に動く。
船長は苦笑いしながら、ついに声を発した!!
『まあええか〜 これはあるなぁ〜 今回は まあええやろう〜 ついにやったなぁ〜!』と
何故か嬉しそうにも哀しそうにも見えた笑顔で前を向き直し、卓丸を走らせ始めた。 
 
 船長のお墨付きや“よっしっやあーぁ・やったぁ!!”と軽くガッツポーズをとったが、それよりも、ほっとした方が勝っていた・・・ 『本当に長い道のりだった・・・』
 倶楽部のメンバーからおめでとうの合唱!
“いやいや〜 キビレやし、えへ・えへ・えへ”と、頭を掻きながら釣った時の状況を卓丸上で受け答え。
だんだん達成した喜びがボディブロウのように効いてくる。
 いつもの船着き場に到着し、みんな一斉にザワザワし始め荷物を降ろし出す。
タライに入ったヨンサマキビレを気分良く卓丸から降ろし上陸した時だった。
一足早く上陸したNKさんが私の大事なヨンサマを記念撮影しようと、わざわざ自前のメジャーを持って歩み寄ってきたのだった。
しかも、そのメジャーは端部に当て板が付いたちゃんとしたやつ。 
 何故かいやな胸騒ぎが・・・。
“おいおい、いらんことせんでもええのに・・・” “もう、決まったことやないか!”
NKさん:「記念撮影やんか」  “そうかぁ〜まあしゃぁないなぁ〜・・・”
ヨンサマがそのメジャーの上にそっと置かれていく。
「あれっ?・・・ん・・・」 
その言葉にホネオくんも寄ってくる。
 「冗談でしょ! ちゃんとほれっ・ あれっ?」
“こらっつ!! もうちょっと、ちゃんと置いて計ってみい!” 
私も確認するが、なんか尾っぽの先がヨンサマに数ミリ足りないように見える。
だんだん腹が立ってきてNKさんに振り向き一喝!
“あんた〜ぁ!いらんもん持ってくるなよ〜! もう決まったことやのに!!” 
「なんでぇ〜 記念撮影やんか!」と返される・・・。

 騒いでいると、やって来た。 その輪の中に、入って来てしまった。
 悪魔のせんちょうが・・・

船長:「おっつ! あれっ? ほんまやっ! ムフッたまらんなぁ〜 やっぱ、あかんかぁ〜 ムフッフッフッ」  明らかに完全に復活した楽しそうな笑顔だ。
“せんちょ〜う!もうさっき、船の上でヨンマルと決まったことやんか〜”  
「あかんもんは・あかん! 中途半端は嫌いやろっつ!」
“それやったら、最初からあかんとゆうてぇなぁ〜”
“ほんまに・上げたり・下げたり・なんでやねん〜”(怒)
横にいたちぬ尋さん「え・え〜っ、まじぃつ!可哀想すぎる〜 もうええやん・認めたってよっ〜」
“うるさい・同情はいらん!”
ホネオくん「怒っている代表、かっ・かわいぃ〜」 “あんたら〜う・る・さ・い!!”
 一緒に筏に乗って共に喜びを分かち合った北さんの方を見て、涙目で訴えたが、たばこを吸いながら
にやにやしながら笑っているだけだった・・・。
 
 打ち砕かれ粉々になった私は、帰ってから恐る恐る細川渡船のHPの釣果を確認したが、私のことは何も書かれていなかった。 
船長も、あまりにも可哀想すぎる結末に、きっとうまく書けなかったのだろう。
でも、写真はしっかりと白黒にされている。 
しかし、白黒だけにキビレとは、判らない・・・。 よ〜ぅく見ないと判らない・・・。

2009年8月9日(月) 中潮(雨) 
 WCT(西日本チヌかかりトーナメント)決勝の熱き戦いが繰り広げられている横で、ひとり雨に打たれながら4号筏で竿を出しダンゴを落とす。
 今まで散々ハートを打ち砕かれきた私は、 船長に“今日はやりまっせ!”と、いつもの調子のいい返事はするが、『ヨンマルだけを狙って釣れるもんでもないし、いつかそのうち釣れるわい!という感じでこれからやっていこう』と正直、少し半ば諦めた気持ちであった。
 だが、自分の中のもうひとつの目標である『良形を含めたチヌを10枚以上釣り上げる!』を、達成したいので、この目標は全然諦めていなかったのだ。
 
 前日の(8/5)のことだが・
 倶楽部メンバーのNKさんとちぬ尋さんがこの同じ4号筏に乗り込み、チヌ尋さんが良形を含めたチヌ8枚を上げていたので、アタリ餌の情報を入れておこうと、携帯へ連絡してみた。
“今日のアタリ餌は何やったん?” NKさん『今日、結構あたってきたんは、さなぎミンチの隅っこに入ってるあの・かた〜いサナギやでぇ〜』 “えっ?! さなぎ・なん? 生ミックやないん?”
『生ミックよりさなぎやでぇ〜』 “そっ・そうかぁ〜・・・はぁ〜・・・(力なく)”

 実は、藤本さん・北さん、お二方先生からの教えで、最近倶楽部内で少し流行っていたのが、「その時期のチヌのアタリ餌に合わせ、その餌のアタリを憶えるために、刺し餌を1種類しか持って行かない」ということ。
つまり生ミックが良くあたると聞けば、他の餌を全く持っていかずに生ミックの1種類しか持っていかないという風に。
 倶楽部内では、例えその結果がボウズで終わったとしても、それがカッコ良く、結果的にチヌ釣りが上手くなる早道だと思うようになっていた。
現に我が倶楽部で一番良く釣る あっち先生や、ぢるさんは、春先はオキアミしか持って行かない鉄の心を持った戦士である。
 今回はその流行に、ちと自分ものってみようと、釣行前に“今回は生ミックしか持って行かんよ。”
“生ミックのアタリを憶えてくるわ”と、倶楽部のメンバーには、カッコえぇことを言っていたので、生ミック以外の物がアタリ餌だと分かると、“やっぱ、さなぎも持って行こうかなぁ〜”と、早速、豆腐の心が誘惑に揺さぶられてしまうのであった。
 
 倶楽部代表として、今日は生ミックだけを刺し餌にして頑張ってみる。
『でも、この生ミックって難しいんだよなぁ〜
ボラがダンゴを割らんで、自分でラインにテンションをかけてダンゴから生ミックを抜かなあかん時、
よくダンゴ内に生ミックだけが残って、素鈎だけで一生懸命釣っている時がある。
ダンゴの固さをうまく調整せなあかんもんなぁ〜』
 
 ボラは、まだ来ていないみたいだが、何かが『ツ・ツ・ツ・ツ・』と刺し餌を突いている・
“おっっ!チヌかも?!” 生ミックの達人・こちぬアドバイザーの藤本さんに教えていただいた言葉を思い出す・『まだ合わせたら駄目ですよ、もう一度誘ってぇ〜 そうそう〜 まだまだ〜ぁ・我慢・我慢・我慢』
“そう、確かにこのアタリは慌てたらいかんかったはず”
やがて、『ツ・ツ・ツ・ツ・ツ』 が 『ブル・ブル・ブル』に変わる。
“よっしゃぁ・もうええやろぅ・おりゃーっつ!”  『ギューン』 いい感じの締め込み、上がってきたのは、27cmくらいの銀ピカのチヌ!
“幸先えぇやんかぁ〜♪” 

 調子でてきてチヌ4枚、ボラ2枚を追加した後、餌取りばっかり釣れ始めたので・
“う〜ん、餌持ち悪い〜。そやそや、餌・チェンジしょ” ←『おいおいあんた、生ミックだけでやるとゆうたんとちゃうんかっ!!』と、もうひとりの自分の声。
“いやいや、さなぎミンチの隅っこに入っている硬いさなぎちゃん。 集魚として持って来ただけやのに、
メーカーが勝手に小袋に入れてるんやから、使わなもったいないやん。”と、自分を説得し・いい訳し・約束もプライドもないっ!

 いつの間にか雨も本降りになり、目の前に稲光が走る。
 
 今日は何故か悪夢の白黒写真にされた時みたいに、だんだんサイズアップされたチヌが上がってくるではないか。
やがて8枚目を釣り上げ、“よしっ!ちぬ尋さんに追いついた!目標の10枚にもう少しや!”
 帽子の後ろから滴る雨が、背中をツーと流れてパンツまでボトボトに濡らすが、今の自分には濡れてることなんか全く関係ない。
 さなぎのかけらを房掛けにして、ダンゴに入れて落とし込む。
もう14:00頃あろうか、激しく叩きつける雨音の他には何も聞こえない・
『ザーァー・ザーァー』 『ポタ・ポタ・ポタ』『 ザーァー・ザーァー』 『ポタ・ポタ・ポタ』

帽子のひさしから水滴が筏の板の上に落ちていく・
 
  “うん?   おっつ!?   慌てるな  ゆっくり送って送って・・・ ”
 ついにその瞬間はやってきた。
 
“おっ・りゃぁあああー!!!”  『ギゥゥウユーン!』  
“よっし!今度はでかいぞっ! またぁキビレかぁー” ひとりで叫ぶ。
そいつは横に走り出したー!“あーっつ!ロープに擦れる・あわわわわぁー・ もっどて・もどって来てぇ〜”
祈りが通じてそいつは戻ってくるではないか!

“頼む・頼むから・あんたの顔を拝ませてくれっ! お願いやから・頼む・頼む・ た・の・む・”

ギラン・ ギラン 上がってきたっ! 
“ま、真チヌやっつ! で、でかい!年無しかぁ!?”
“暴れるなよ〜・空気吸わさな〜” と言いながら自分も空気を吸い・口をパクパク・ チヌもパクパク・
手網に何とかすっくって、筏の上にどさっと降ろし、
“やった!! ついにやった!!  メジャーや メジャー!!”
“ん・・・? こいつ頭はでかいけど、体がなんかやたら短いやん・・・体型がへんや・・・やばっつ!”
まさかと思いつつも・41くらいはあることを確認。
 それからは、全くスカリのチヌが気になって釣りにならない。 何度も竿を置いては筏の角に括り付けてあるスカリの元へ行っては確認し、行っては確認し、その度に“おるおる・ニヤニヤ・・ムフフフ・・・”
 10枚の目標が、もう頭から完全にスットンでたのであった。
どこで情報を嗅ぎつけたのか、卓丸がこちらへ向かってやって来るではないか。
『ザ・ザ・ザ・ザ・ザーァー』 船長が口開く前に こっちから“せんちょ〜う!今度こそやりました!!”
スカリを両手で持ち上げて船長に見てもらう。
船長:『おっおつ! やりよったなぁ〜 ちょっと待ってて、お客さん運んでから、また来るから・』
 2〜30分後、船長が再び戻って来てくれた。
筏の上に釣ったチヌをばらまく・『ピチ・ピチ・バタ・バタ・』 最高のひとときである。

“せんちょ〜う、計らないんですか?”
『計らんでも、俺は見ただけで分かるんや・だから、いらん』 “つ・ ついに認めてもらった・・・”(涙)
何枚も・何枚も・ポーズを決めて写真を撮っていただく。
雨で周りが暗いので、自動フラッシュが本当に眩しく感じる・

 意気揚々として卓丸に乗り込み、ウィリーをしながら船着き場へ向かう。
船着き場では、WCTでジャンケンで負けしまった藤本さんが、待っていてくれた。
『おめでとうございます〜、ついにやりましたねぇ』自分のことのように喜んでくれている。
“ありがとうございます。本当にみなさんのお陰ですわ”
 充実した気分で最高の中、血抜きしたヨンサマをクーラーに入れようとしたその時だった・

『澤原さん、やっぱり計っておこうや。』と、WCTの採寸器具持って・・・?
ニヤニヤしながら船長が近づいてくる。

“な・な・なんでぇ〜!  もう、計らんでえぇやん・て・ゆうたやん!!”(怒)
“しかも、もう血抜きも終わったのに!!!”
これは、明らかにいじめである。
 船長、何をするかと思いきや・採寸器具の上に置いたヨンサマのおっぽを開いたり・斜めにしたり・
 出来るだけ短く計ろうとしている!
“船長、あかんわ・そんなはかり方はやめてください・”と、私はおっぽの形を普通に整え直す。
横で笑いながら見ていた藤本さんも『それはひどすぎまっせ・・・』とフォローしてくれる。
 
 やがて、船長の顔も寂しそうな諦め笑顔に変わっていくのであった・・・。


遠路はるばる、お金を払って遊びに来ているのに、私らのことを全くお客さんと思っていない・
『お客様は神様です』という言葉が死語になっている  細川渡船 高橋船頭。

この釣行記が掲載されるころには、堂浦の乗っ込みがきっと始まってることでしょう、
 今年も満員御礼で、乗る場所も荷物も置く場所も困る卓丸に、乗り込む自分を思い浮かべるのであった・・・。


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