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澤原 勇さん ・・・平成19年9月24日・・・

 
 2007年9月24日(月・祝日) 中潮(曇)     −ど素人チヌ釣り カセに初挑戦−

 自称メバル釣りの名人?の嫁さんに、『9/24は○○のコンサートがあるんで、
 この日は釣りに行かれへんからひとりで堂浦へ行ってみたら』と言われた。
 私は釣りに行けば筏上でいつも嫁さんの仕掛け等のタックル作りにドタバタと
 世話をしている付き人みたいな状態なので、たまには自分自信のことだけを考えながら
 思う存分釣りを堪能してみたいと願っても無かったことなので
 「じゃあ、行ってみるわ」と、即、返事をした。
 ひとりで行くのも交通費がもったいないと考え、近所で美容室&喫茶店を
 経営している山形夫婦が、この日 細川渡船さんへ行くことになっていたので、
 交通費割り勘で車に便乗させてもらうようお願いし了解をもらった。
 山形さん夫婦はもともと磯釣りが大好きだったのだが、仕事の合間に
 私や嫁さん,嫁さんの妹らがその喫茶店に休憩に行っては、かかり釣りの楽しさを
 存分に吹き込んでいた?ので、今年の7月頃に一緒に堂浦へ釣行し、現在はすっかり
 かかり釣りにはまって(いや、はめて)しまった楽しい釣り仲間である。
 私はどうせ行くのならカセ(小舟)に乗ってみようと思い前日船長へ予約の電話を
 いれた。

 「せんちょ〜う、明日ひとりでカセに乗ってみたいんですが、いいですかぁ?」
 『う〜ん・・・まだ澤原さんをカセに乗らすのは早いけど、う〜ん・・・。
 月曜は他のお客さんが少なそうやから・・・しゃぁない乗ってみるかぁ〜』と
 少し無理矢理OKの返事をいただいた。そして仕掛けのことも気になったので、
 「カセは大物がくるのでラインは1.5号にしておいた方がいいんですか?」
 と聞いてみた。『いや、1号でいいよ』と船長が答える。
 「え〜ぇっつ、1号ですかぁ〜!・・・・せんちょう〜自信ないんで、
 あいだとって1.2か1.25じゃだめですか?」と泣き事を言うと、
 『俺は中途半端はきらいやなあ〜』と師匠にスパッと言われてしまった。
 その夜、近所の釣具店に1号のラインとライフジャケットを、慌てて買いに走った。
 自信が無いのは、実は7/7の初チヌをあげて以来も小チヌはボチボチ釣っているが、
 大きいのでも28cm止まりでとてもカセに乗れる腕ではなかったのだ。
 (つまり、船長からど素人の“ど“の字を取っても良い許可がまだ出てなかった)
 早朝5時半頃に細川渡船さんへ到着すると、満員御礼の一番船が出発間近で
 スタンバイしているではないか。 船の操舵席から『おお〜い、待っててあげるから
 早く用意して』と船長が笑顔で催促しているので、みんなを待たせると悪いと
 思った私はシラサエビを買いに船長の奥さんのところへ突っ走り、山形さんらも
 車から降りるや否や荷物を慌ただしく船に運び、みんな息を切らしながら船に飛び乗った。
 
 カセは筏より近くに設置してあるので、数分も船を走らすと船長が言った
 『澤原さん次(出番)なぁ』 
 「えっ、もう・・・。船長、ところでここは何番カセですか?」 『9番カセやで』
 「シモリの方向はどっちですか?」 『カセはどっちでもいいんよ』と笑顔で
 答えてくれた。
 記念すべき初カセ9番に降り立った気分は最高だった。
 揺れが心配だったのでタックルケースには酔い止めの薬を忍ばせてきたし、
 トイレも小さい方は、周りのカセは遠いので適当にカセの周りにこそっとしてしまえば
 大丈夫みたいだ。大き方がしたくなったら・・・その時は・・・その時に考えれば・・・、いやっ、
 なるべく考 えないようにしよう・・・。
 「よしっ、さあやるぞっ!」とつぶやきながら、前日嫁さんに買ってもらった
 ライフジャケットを着込んだその胸を両手で“ポン”と叩いた。
 周りを見回すと、ぽつりぽつりカセに乗っているほとんどの人が西方向に竿を
 出していたので、自分もそれに習い西方向に竿を出してみた。

 カセの横を船が通ると自分が海に向いている方向に回転しようと揺れるので、
 左手でしっかり船を掴んでおかないと姿勢が安定しない。でも、エレベータで昇降する
 ような上下の振幅が無いので、どうやら船酔いは問題なさそうだ。
 潮は北から南(右から左)へ流れている、この早さだったら何とか対応できるかなと
 思いシラサを包んだダンゴを素出で海面にそっと落とすが(柄杓は使わなくて良い)、
 たまにダンゴを突っつく小さなアタリしかない。ダンゴが割れないので手でラインを
 引っ張り、サシエをダンゴから抜いて誘う、“おりゃっ!”と竿を振り上げると
 記念すべきカセ第一号は小アジであった。
 月曜日はおからの到着が朝7時頃にならないと渡船に届かないので、
 細キューおからが来るまでは、適当に買ってきた配合エサと土とを混ぜたダンゴを
 落とし込んでいたのだ。
 そんなダンゴでも1時間ほど頑張っていると、ボラが来ているみたいな
 ドンドコ・ダンゴ攻撃がきたではないか。 “ボラが来ればチヌも来る” 
 という鉄則が私の中には痛いほど船長に植え付けられているので、この状況は
 ワクワクしてくる。

 穂先がすうぅ〜と入っていくので“おりゃっ”と合わせると、重量感が伝わってきたっ!が、
 あまり走らない・・・。少し上がると走り出す・・・こっ・これは・・・。 
 “ザ ザザザザーァ” 大物?とやりとりしていると卓丸が近づいてきたではないか、
 『澤原さんは、ボラあげたことあった?』と近づいてきた船長が船の上から笑顔で
 問いかけてきた。 「そんなん答えなくても、知っているじゃあ、ありませ・・・」
 と言葉を発した途端、海面に目を向けると目の前にロクマルはあろうか大ボラが
 姿を現しているではないか!“ちくしょう、船長が見ている前でボラをあげて
 しまうなんて・・・” 少し格好悪かったので、船長がボラらしき物を掛けた時、
 姿を見る前に手でラインを勢い良く引っ張って“ぶちっ”と格好良く切断していたのを
 思い出し、自分もその真似をしようかとラインを左手で握りしめていたちょっと
 したスキである、ボラが再び突っ込みをみせラインが走り、握っていた左手に穂先が
 当たり同時に“パキッ”といやな音がした! “ガァ〜ン!!”見ると穂先3cmくらいが
 折れてしまってい るではないか!
 
 実はこの竿は、8月くらいに船長にお願いしてチヌ釣りの名手 北 英樹さんに
 オリジナル竿(船長もご愛用の竿)を作っていただき、新丁して間もなかった
 私の宝竿だったのだ。
 頭の中が真っ白になった・・・『初心者みたいなことをしてはいかんよ、穂先は
 気をつけんとあかんって!』と船長に叱られた。 自分としては、カカリ釣りを
 してきて穂先には十分配慮してきていたつもりだったが、たしかにこの頃慣れて
 きたこともあり穂先に対する注意が疎かになっていたのかもしれない。
 ボラを逃がした後、船長から届いた細キューおからを卓丸から降ろし、
 船長が去っていく後ろ姿を眺めながら“まだ釣りは始まったばかり、この後どうしよう・・・”
 と考えたが、 予備で持ってきた以前使っていた竿を出すよりも、折れても宝竿の
 穂先の方がまだ細くてアタリが捕れるだろうと判断し、そのまま竿を出すことにした。
 大型細キューおからダンゴを5個投入し、“ボラはもう釣らんぞっ!”と、
 気合いを入れ直した直後にハオコゼを釣り上げ“何とかアタリはとれるかな”
 と少しほっとし、しばらくエサ取りと遊ぶ。
  
 10時くらいだろうか、船長が再び心配?して見に来てくれた。 『どれ、やってみようか』
 船長は私の宝 竿を受け取り釣り座に着いた。 久しぶりである、船長が私の竿を持ち、
 精神的修行を与えようとして いるのも懐かしく感じながら“ここは、自分にとっては
 初めてのカセやし、どんな釣り方をされるのか、ここは勉強させてもらおう”と考え、
 船長の一連の流れを見つめていた。 さすがに船長でも短くなった穂  先では、
 慣れていないこともあり、前アタリはとれるが本アタリの合わせどころがつかめず
 苦戦している 。 
 『う〜ん、難しいなあ、今のいっとけば良かったかなぁ・・・難しいけど、慣れれば何とか
 なりそうやね・・ ・これはおもしろいなぁ〜やめれんなぁ〜』と、アタリをとるのが
 難しくなった分なんだかすっごく楽しんで いる様子。 “船長も私らと同じく、
 根っからの釣り好きなんだ”と改めて思うが、船長の楽しんでいる時  間がいつもより
 少し長いので、 どちらがお客さんなのか分からない状況がしばらく続いた・・・。 

 その後、船長はお腹が痛くなったので突然帰ってしまい結果的に精神的修行は
 与えられずに済んだ  が、現在の穂先の状態では今日の釣りは本当に苦戦し
 そうだと感じた。 
 “コン・・・クゥー”と、おきまりの小キビレ(我々の釣り仲間の間ではチビレと呼ぶ)のアタリをとり、 
 続けて 3匹を釣り上げて、“なんかええ感じになってきたなぁ”とワクワクしてきた。
 しかし、メッキ等のエサ取りは釣るが、なかなか本命が来ないうちに(いや、来ていても
 分からなかったのかも?) 14:00頃だろうか潮がほとんど動かなくなり、すっかりアタリが
 遠のいてしまった。

 “ザ・ザザザザーァ”船長が再び私の背中の方向(東側)から様子を見に来てくれた。
  『どうかなぁ?』
 「せんちょう、チビレは釣れたんですけど、本命がまだ・・・」 『そうか、もうすぐしたら潮が
 動きだすから、その時状況が変わるからね』と言い残し、去ってしまう。?
 14:30頃、船長が言ったとおり北へ(左から右へ)潮が流れ出した。
 “よしよし、状況が変わっていくぞ!チャンス・チャンス”とダンゴから抜いたサシエを
 流して行く。
 “う〜ん、何だか潮が速過ぎやしないか、いくらでもラインが出て行くではないか!
 こりゃぁ、凧揚げ?いや、水中やから凧下げ?かなぁ”と考えるが、とにかく今まで筏では
 経験したことがない潮の速さである。
 そのうち葦みたいな藻?が沢山流れてきて、ラインに当たらないようにその藻を避けることに
 一生懸命になる。その藻はカセの先端から後端(10mくらい?)を約4〜5秒くらいで
 流れ過ぎて行く感じだ。 その潮の抵抗で竿は弓なりになり、ダンゴも抵抗を受けて底で
 滑り浮き上がる感じで、ダンゴからサシエを抜くと、どんどんサシエが浮いてきてしまう。
 底を這わすことができず腹が立ってきたので、タックルケースに入っている
 一番大きい0.8号のゴム貼り錘(ガン玉)を二つ並べて付けたが、それでも
 底から浮いてくる感じではないか!
 “せんちょ〜う、潮止めて下さい。これでは流れ速過ぎで、状況の変わり過ぎです!”と心で
 叫びながら周りを見渡すと、ほとんどカセには人影が無いではないか。 “この潮の流れで、
 皆、諦めて帰ってしまったのだろうか? そうとしたらここで本命を釣り上げれば、
 船長に『流石やね!』って、褒めてもらえるぞ。”とやる気を再び起こし頑張ってみる。 
 浮き上がってきたシラサを流れに乗せて何回か流し止めていると、いきなり“ガァーン”と
 当たってくるものがあったが、“うわっつ!”と思った瞬間“ぶちっ”とラインごと
 切られてしまった。
 “今のは何やったんやろうか?こんな状況でもアタリがあるんや。”と素直に驚き喜んだ。
 エサをシラサ・練りエサやさなぎに取っ替え引っ替えし、四苦八苦しながら流していたが、
 16:00時頃  とうとう卓丸の姿が遠くからどんどん近づいて来て、ついにお迎えの時間と
 なってしまった。
 初めてのカセの感想は、後半は潮の流れが驚くほど速く、大袈裟かもしれないが
 筏の釣りとは全く別世界の一面を覗いたような気がしました。
 “せんちょ〜う、カセもなかなかおもしろいので、メバル名人の嫁さんがまた釣りに
 行けなくなった日には、是非もう一度私をカセに乗せてやって下さいな!
 お願いします!”


 PS.カセに乗せていただいた数日後、船長と北さん・私の釣り仲間達と釣り談議を交わせる
 機会がありました。その時にもラインの号数が話題にあがり、やはりラインは細い程、
 潮の影響を受けにくいので1号ラインを基準にしたほうが良いとのこと。 
 強度的にも1号のラインで十分ですよと言われ、私の1号ラインに対する強度不安を
 払拭していただきました。 
 それから笑い話ですが、私が釣った小魚をカセの中央辺りに設置されている生け簀に入れて
 泳がしていたのですが、後でその元気な魚達を丸い玉網ですくおうとしたのですが、
 タモの丸い枠の部分と生け簀の隅にできる隙間から魚達がどんどん逃げて行くので
 全部すくうのに15分以上もかかり、その間はもちろん釣りが出来ずに無駄な時間を
 費やしてしまったことです。
 初めてカセに乗られる方でご存じではない方は、生け簀に元気な魚を入れる場合は、
 四角い枠の玉網を用意してきてください。貴重な釣り時間を魚すくいによって潰される


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