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久保 尚義さん ・・・平成17年4月25日・・・


 4月に入り 春の訪れとともに桜の花も満開!この季節になると各地でチヌ乗っ込みが始まる。
私がホームグランドにしている堂の浦も 4月中旬頃からぽつぽつ釣れだし ゴールデンウイークあたりで本格的なシーズンにはいる。

 本日は 時期的には少し早いが、開幕を待ちきれず、今年の細川渡船 第1号を狙ってやろうと数日前から10日の大潮に照準を絞り、釣友の北氏と2人で堂の浦へ向った。朝5時30分港に到着すると高橋船頭が出迎えてくれた。久しぶりの挨拶を交わして前日の状況を尋ねてみると エサ取りは居るみたい、昼からボラも出てきたとの情報を貰った。魚の活性が低いこの時期だけに期待出来る情報だ。

「うまい事いけば 顔見られるぞ!」と心躍らせながら6時の港を出港し 私は1号カセに、北氏は9号カセに乗せて貰い 7時前から釣り開始!

当日の天気は曇りのち雨、昼ごろから風も出てくるとの予報。
「荒れてくるまでに釣れたらなあ」とボケを刺し今年堂の浦お初の1投目!
久しぶりなのでなんだか懐かしい気持ちで丹念に団子の周辺から探ってみた。この時の頭の中は 落ち込みでモゾモゾ触ってくるイメージ。
だが 反応が無い、数回打ち返し上がってくるボケを触ると「冷た〜!」季節は春とは言っても水温は低く 海の中はまだ冬のまま、なかなかイメージどおりには行かない!「時合いは夕方かなあ?」と思いながら穂先を見つめる。

そんな中、釣りを開始して10時を過ぎた頃 早くも風が強まりだし海面がざわつき始めた。
「ちょっとざわついた方が警戒心薄れてええわ」と思いながら釣っていると、ざわつくどころか 帽子が飛んでしまいそう勢いの風が吹き出した。風速11メートル!白波が立ち、潮が飛んでくる。

「これ 風吹きすぎや!」と思わずツッコミを入れながら前方を見ると、9カセに乗っていた北氏は、船頭の船に乗ってこっちへ向っている。「あかん!波かぶってベチャベチャやあ 帽子飛んでもた!」と撤収!他の安全なカセに移動して行った。
岸に近い方がいいのか 私の方のカセは マシのようでそのまま釣りを続行。 少し釣りずらいが 風の中遠投したり中層を探ったり当たる所を探していた。

乗っ込み期のチヌの特徴を言えば 外海から入ってきて回遊してくるチヌがほとんどなので、比較的 擦れていない魚が多く、食いに来てしまえば わりと当たりも明確で ボケの場合早アワセだけ注意すれば釣りやすいと思う。あとは 回って来たチヌをいかに足止め出来るかが大事で 当たりが無くてもしっかり団子を打って ポイントを作っておきたい。

お昼を過ぎ時より突風のような風の中、竿下今までと違う当たりが出始めた。「ややこしい風やなあ」ジッ!と見ていると全部が当たりに見えてくる。「魚が食ったら分かるやろう」と思いテンションをかけないように竿を送り 潮下に流した時、力強く「グッ!」と穂先が入った!思わずあわすと小さいが魚信が伝わってきた!

「おっ!なんか釣れた」上がって来たのはフグだった!たまに触って来ていたエサ取りはコイツだったみたい。
活性が低い時期なので エサ取りでも寄って来ればホッ!とする。

その後ボケにだけよく反応し、エサをかじられだした。こう言う時は逆に残るエサを付けて粘るのが チヌに食わす近道、何故か朝から1回も取られないオキアミ、食べやすいように剥き身にして暫らく粘ってみたが相変わらず何も触ってこない。 かなり粘っても残っているので底の海藻とかが絡んで上がってくる始末。

辛抱堪らずに再度ボケを付けて探っていると、2時半頃から突然エサ取りが当たらなくなったり 底より少し上で当たったりと変化が出てきた。

「もしかすると大型の魚が回って来たのかも!」ちょっと期待して 後残り少ない時間 神経を集中させた。

相変わらず風は強いまま、穂先を海面近くに下げ 出来るだけ 安定させながら暫らく探っていると 明らかに魚と分かるアタリが出た!

時計を見ると時間も迫って来ている、もしかしたらこれが今日1回きりのチャンスかもしれないと慎重に仕掛けを送り込む。

何回か前アタリを送り、そのまま竿で着いて行き「ス〜!」と押さえ込まれた所でアワセをいれた。

「乗った〜!」ここまで約8時間、この一撃をあわすために団子を打ち続け、風にも耐え、波をかぶり、「チヌ開幕〜!」と言いたい所だが・・・! やけに手応えがない、掛けた瞬間は重量感が有ったはず!あまり抵抗もせずすんなりと浮いて来る。
「もしかして!」ゆっくりと巻いて海面に姿を見せたのは「カレイ」! ボケを丸呑みしていた。「ガッカリ!」

それから最後までわりとエサ取りのアタリは続いて 突然食ってきそうな雰囲気の中、期待したが残念〜!15時45分納竿!

今日の理想は初チヌを釣って 魚と友に「開幕〜!」と言いたい所だが うまいこと行かなかった。
でも今年第1号が釣れるのはそう遠くないはず。雰囲気はムンムンしているので、ココ数日の間に上がりそうな予感!

取り敢えず今日は乗っ込みチヌを迎える準備と 明日の釣り人のため、撒き餌係りに貢献したと言う事で納得した釣行ができました。


チヌは釣れませんでしたが 私は今日から開幕です。
また今年も堂の浦に通う1年が始まりそう。


                                            
                                            激釣会 久保 尚義



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