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昭和六十年五月に、この雨滝山化石層から採取した魚の化石が、平成九年十二月の日本魚類学会で、ナマズ科魚類としては世界最古の化石であることが発表されたことにより、雨滝山化石層は特に注目を浴びるようになった。
このナマズの化石は、全長9.25メートル、大きくて丸みを帯びた頭部、ナマズ科に特徴的な内耳と浮袋を連結するウェバー器官のほか、52、3本の脊椎骨数など、ナマズ科の魚類がもつ形質を備えている。また、魚類だけでなく、カエデ、ブナ、ゴキブリ等の化石も発見された。
雨滝山化石層は、約1500万年の中期中新世讃岐層群といわれる火山灰層に狭まれた泥岩の岩石層で、古くから化石愛好家がよく訪れ、岩石の中からいろいろな植物の化石を採集していた。
この世界最古のナマズの化石の発見を記念するとともに貴重な場所の保存、或いは化石を学ぶことができる学習館として、平成十三年九月、雨滝森林浴公園の中に雨滝自然科学館が新設された。

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