前回は、いきなり血色とか気色とか顔面部位とか、画相とか、そこいらの占い師も知らんような人相術の専門用語が次々と出てきたから難しかったのでは無かろうか。しかし、本当に運命を占うとなると、少しは覚えんと埒が明かんのじゃよ。興味本位の占いの雑誌なら話しは別だが。
この間も久しぶりに本屋によって、占いの雑誌を立ち読みしてみたが、ようもこんなことを平気で書くのうと思って、逆に感心したわい。殆どがデタラメじゃ。お負けに、占いの神髄を極めたとか、占いの第一人者という触れ込みの者ばかりが集まっておるのも滑稽ではあった。どうせデタラメな世の中じゃ。デタラメな雑誌がよう売れることも別に不思議ではない。そんな雑誌を書く方も、買って読む方もご苦労なことじゃのう。
さて、真面目な占いの話しに戻って、今回はいよいよ恋愛とか結婚運の見方の話じゃ。今のわしにはトント縁がない問題だが、運命鑑定の中でも相変わらず圧倒的なシェアを占めておるのが、惚れた晴れたの病気の問題じゃ。
浮いた浮いたの恋の病を占うにも、前回説明した顔の色が決め手となる。もう一度、顔に現れる色の吉凶と、顔面の部位を思い出してもらいたい。
恋の病に罹るのは勝手だが、重病になって、「あの人が居ないと生きて行けません。ヒー」とか、「これで人生は終わった。ガクッ」などと思い込まんように頼むぞ。それと、アチャラの映画のように、すぐにその気になる連中は、エイズにも注意してもらいたい。
それでは皆の衆の現在の恋愛模様を探ってみようかのう。鏡に自分の顔を写して、あれこれ判断するのも楽しいではないか。前回にも言ったように、現在の運命は《顔のどの部位に、どのような色が現れているか》を見れば、何事も一目瞭然という次第じゃ。
《現在の恋愛運の見方》は簡単じゃ。わしが難しそうな顔をして、「あなたの恋愛は・・」などとやっておるのは、ただ単に目尻の色の善し悪しを見て言うておるのじゃよ。わしは鑑定料をもらう手前、余り軽々しく言うのは失礼じゃからのう。単に難しそうに言うておるだけじゃ。「なあんだ、そうか」などと、簡単に言わんでくれよ。簡単なことを真剣そうな顔で、難しそうに話すのも年期がいるのじゃよ。
わしの人相術の話を素直に聞いて自分の顔を見れば、恋愛運などは誰でも簡単に判るのじゃよ。但し、恋人や結婚する相手の顔や、これから現れる恋人の顔や、住居の方角などを総合判断するとなると、多少の経験が要るぞ。それと、説明したくても説明しきれない、口では言い切れない秘伝というものもあるのじゃよ。
先ずは、《顔面部位の図》を見てもらいたい。目尻に親指の腹を当てた位の範囲を《恋愛宮》と言うが、ここの色を見れば現在の恋愛運は誰にでも簡単に分かるから面白い。目尻からビンのところ一帯の色も参考に見れば尚良かろう。
《女子は本人の左の目尻》、《男は右の目尻》が恋愛宮じゃ。そこの色が、現在の恋愛の状態と成り行きを現しておる。《皮膚の表面の色は現在の状態を現す》ことは前にも言うた筈じゃ。
《皮膚の下の色は、現在の恋愛の成り行きと、近い将来に現れる相手のことなど、近い将来の恋愛運》を告げると思えばよい。
恋愛宮は男と女で見るところが左右逆になっているが、男女が愛し合って抱き合えば、左右がお互いに一致するという塩梅じゃ。
それでは、各自が自分の恋愛宮を見て、勝手に判断してもらうとしようかのう。しかし、その結果はわしゃ知らんぞ。エコヒイキせんと、ちゃんと見んといかんぞ。
恋愛宮の色が悪いのに、それが不満で、「私の恋愛宮は輝いている」などと自己暗示をかけても、結果は必ず人相のとおりになるから、最初から無駄な抵抗はせんことじゃ。持てない奴に限って、「そんな筈は無い」などと思って、色眼鏡で見るのじゃよ。ご苦労さんとしか言いようが無いわい。
◎【恋愛宮が明るくて奇麗な場合】 明るい、奇麗な色というのは美色のことじゃ。美色は喜びの色だから、恋愛宮にこの色が現れたら、必ず恋愛の喜びがある。これは間違いない。嬉しいのう。
恋愛宮全体に、《明るい、奇麗な色》である、美色が現れておれば、《素敵な彼と恋愛が進行中》の証拠じゃ。幸せな内に、精々イチャイチャやっとくことじゃな。
恋人がいない者は可哀想じゃのう。しかし、この美色が現れた限りは心配せんでエエぞ。《近々に必ず恋人ができる》という、超ラッキ―カラ―じゃからな。いくら醜男でも美色が現れたら大丈夫じゃ。恋の予感というやつじゃな。「ちょーっと、恐わーいの、恋かしーらー」と、ついついハモルこと請け合いじゃ。
色の現れ方だが、《恋愛宮全体に奇麗な色》が現れる場合と、恋愛宮に《指先を当てた位の大きさで明るい色》が現れる場合とがあるのだが、どっちにしろ嬉しい知らせじゃ。「若っかい娘が、ウッフン、お色気ありそでウッフン、無さそでウッフン、有りそでウッフン」と、若い時は何をしても可愛いのう。訳が分から。
《指先で押したような大きさで、奇麗な色が現れている場合》には、その色の輪郭が《恋人の顔の輪郭》になっていることが殆どじゃ。その色をジーッと見ていると、目鼻立ちなどの顔の造作が段々と現れてくるから面白いぞ。但し、恋愛宮の奇麗な色をジーッと見ていて、段々と現れて来たその顔が醜男であってもワシャ知らんぞ。世の中には男前ばかりではないからな。
「何?、恋人がいなくて寂しい毎日だー? 又かいな」。情けないことを言うのう。「彼氏の三人や四人、直ぐに集めんかい!」と言いたいところだが、淋しい毎日の者には何を言っても仕方がないか。しかし、恋愛宮に美色が現れた以上は心配無用じゃ。いくらモテない者でも、この色が現れたら百人力じゃ。この天童が保証するぞ。もうすぐ物好きな男が寄って来るからのう。
恋人がいたらいたでワ―ワ―言うし、いないと淋しいと云ってメソメソするし、女子は困ったものじゃのう。恋の病に効く薬はないから仕方ないが、どのような時でも、その時に感謝して暮らしてくれよ。一人のときは一人を楽しみ、恋人がおればその時を楽しむという具合にな。いつでも余裕を持って、生きていることを楽しんでもらいたいのじゃ。
この《美色》というのは、顔のどの部位に現れても必ず喜びをもたらすから嬉しいではないか。但し、《どのような喜び事があるかは、美色が現れるている顔面の部位によって違ってくる》
わしが一番心配をすることだが、モテて嬉しい嬉しいで燃え上がるのは勝手だが、恋しい人の人相をじっくり見てくれよ。まさか悪相じゃあるまいのう。それに、エイズにも注意してくれよ。最近は恋も命がけじゃ。ま、せいぜい頑張ってチョーダイ。
○【恋愛宮が桜色の場合】 恋愛宮全体に《うっすらと桃色》が現れていたら、《恋人と現在アツアツ》の状態に間違いなかろう。熱々を見せつけるのは良いが、紅色の場合は美色と違ってイチャイチャが長続きせんことが多いから、手放しでは喜べんぞ。
例によって、恋人のいない淋しい連中には、この紅色は嬉しい知らせじゃ。良かった良かった。《もうすぐ恋人が現れることは間違いない》からのう。「困っちゃうーなー、デイトに誘われてー」となるに決まっておる。
紅色が現れたら、必ず男が言い寄ってくるから、その時は自信を持って積極的に出てくれよ。こんな目出度い色が現れておるのに、メソメソするような奴は一生メソメソしておれ。とワシャ言いたい。
それと、デートに備えて少しは貯金をしておいてくれよ。いくら紅色が現れて恋愛運百倍力でも、コーヒー代が無いようでは何ともならんからのう。せっかく出た紅色にも申し訳ないではないか。「そんな奴は、家でインスタントラーメンでも食って、布団を被って寝ておれ!」としか言いようが無いわい。
●【恋愛宮に赤い色が現れた場合】 もし恋愛宮に《赤い色》や《赤点》が現れたなら、可哀想だが《離別》の前兆じゃ。わしは可愛い乙女が泣かされるかと思うと、今から涙が出るわい。
いくら美人で優しい女子でも、この赤い色には適わんのじゃよ。恋愛宮全体が赤っぽくなっても、指先を当てた位に赤い色が現れても結果は同じじゃ。
血の色である赤色が現れたら、《喧嘩》をして《急に別れる》ことが多いから、常日頃から我を張らずに、相手を許す気持ちを持つようにしてくれよ。
人間は調子が良いときにはユッタリした気持ちになれるが、ちょっとしたことで、相手の言葉や態度にムッとしたりカッとしたりで、直ぐにメッキが剥がれ落ちて、ハイソレマデヨとなるのが多いからのう。
離別して、修復が利かん時には、無理をせずに、「ご縁が無かった」と思って諦めて、いつまでも引きずらないように頼むぞ。一人の男を思い続けて、一生涯独身で過ごすというのも悪いとは言わんが、どことなく怨念めいているではないか。思われている側も迷惑じゃなかろうか。念も相手に憑くしのう。いやいや、時々おるのじゃよ。実際。
それと、別れたくない一心で祈祷師などに頼んで縁結びをやってもらうという可哀想な連中も多いのじゃよ。嫌になった相手の気持ちも判らずに、必死で縁結びを頼む執念は地獄そのものじゃ。「よし、引き受けた!」等と云って、高い金で請け合う占い師や祈祷師にも困ったものじゃ。両者ともに地獄行きの片道切符を手にしたようなものじゃ。
何でもそうだが、無理はいかんのじゃよ。もっと、サラサラと、サッパリ、クッキリ生きれんものかのう。
相手が「別れたい」と云っているのに、しばいたり、優しくしたりして、食いついて離れん男も多いから注意してくれよ。
恋愛宮に、《真っ赤なニキビ》が現れたら、これも《喧嘩別れ》の前兆か、別れないまでも《大ゲンカ》をすることになる。膿んで痛そうなニキビの場合はもちろん離別の相だが、たまには《恋人が怪我をしたり、急病になる》ことがあるから注意してもらいたい。
●【恋愛宮が青い場合】 恋愛宮に《寂しそうな、青い色》が現れていたら、可哀想だがこれも《離別》じゃ。寂しい色は淋しい運命を予告するのじゃよ。
時には離別ではなく、《恋人が病気》に罹って心配するような場合もあるにはある。恋人が病気になって心配をしていたら、いつの間にやら離別になったという、二段構えのご苦労な例もあるのじゃ。やり切れんのう。しかし、いつまでもグジグジしないように頼むぞ。
《顔全体が何となく青い》という場合には、肉親か恋人との離別は免れまい。死別も結構多いのじゃよ。
●【恋愛宮が薄暗い場合】 暗い色とは、前に言うた濛色とか暗色のことじゃ。恋愛宮に《鉛筆の芯の粉を付けたような》《影のような》《薄暗い色》が現れたら、二人の仲が怪しくなって、別れるとか別れないとかいって、《ややこしなる》から覚悟してくれよ。ボツボツ木綿のハンカチを用意したほうがよかろう。
暗い色が現れたら、《暗くて見通しが立たずに悩む》ことになる訳じゃな。この色も、揉めた末に《大抵は別れる》というのが定番じゃ。時には《恋人の不運や病気》を現すこともある。
●【恋愛宮に白色が現れたら】 恋愛宮に《白っぽい色》が現れたら、愛しているとか愛していないに拘わらず、恋人が《死ぬ》前兆じゃ。艶の無い真っ白い色だが、うっすらと白い粉を付けたように、気色で現れることが多い。恋人が死ぬ色が現れたからといって慌てんように頼むぞ。
このような相が現れた場合だが、慌てず騒がず、彼の人相をよーく見て、剣難の相はないか、変わった様子がないか、病気は無いか、思い詰めた表情は無いかなどを深く観察し、心配事を聞き出す必要がある。神仏に心から祈ることも忘れんように頼むぞ。
世間には、「交際中の彼氏が危ない」とか、「旦那の一命に拘わる危険な相がある」と言うと、真顔で、「せいせいしますヮ」などと言う薄情者がおるが、悲しいのう。どうなっておるのじゃ。訳が分からんわい。 しかし、そのようなことを言う者には、過去に色々あった訳で、今までに彼氏や旦那のことで、人に言えぬ苦労をして来たことも誰かが解ってやらんといかんのじゃなかろうか。しかし可哀想じゃのう。ま、困ったときには、真っ先に易者に相談するのが一番じゃ。但し、アーちゃんには用心してくれよ。兎に角、人相が悪いからすぐに判る。
夫婦仲の見方
夫婦の仲がどうのこうのと言うのは、恋愛宮の反対側の《夫婦宮》を見ればエエのじゃよ。《男は本人の左の目尻が夫婦宮》で、《女は右の目尻が夫婦宮》じゃ。《判断の仕方は恋愛宮の見方に準ず》れば良い。簡単に言うと、
【美色】は、結婚の喜び、夫婦和合を現す。【紅色】は、新婚でなければ、旦那の心が浮いている証拠じゃ。浮気に要注意。【赤色】は、夫婦喧嘩や離別。【青色】は、配偶者の病気か離別。【濛色・暗色】は、配偶者の病気か不和。【黒色】は、配偶者の病気か死亡。【白色】も、配偶者の死亡。【その他の混合色】は、配偶者の病気や不和。と、こうなる訳じゃ。
目尻の色をパッと見て、右のように判断すれば当たるのじゃよ。
夫婦の仲がややこしくなってから、わしの所へ相談に来るご苦労な連中が多いのじゃよ。結婚する前には相談に来んとってからに。まあ、来たとしても、わしの言うことなんぞ聞き入れはせんだろうが、困ってどうしようも無いなってから来るからのう。
判断の結果も大抵は、昔ラジオで人生相談を担当していたドクトルチエコとか云う先生のように、「あんさん、別れなはれ」という次第に相成る訳じゃ。結婚する前に相談に来てもらいたいと思うのだが、惚れた晴れたの時は、易者どころではあるまい。
別れる要素には色々あるが、先ずは《亭主の暴力》じゃ。女をシバクような男はどうしようもないが、結婚する前に判らんかったのかのう。人相術を勉強しておったなら悪相を見抜けたものを。可哀想にのう。兎に角、女をいじめるような、気持ちの悪い男には最初から近寄らんことじゃ。
次が《生活苦》じゃ。これはわしも偉そうには言えんところがある。が、女房に金銭の苦労をさすようでは男として半人前じゃなかろうか。女も女じゃ。惚れて舞い上がってしもうて、「私が何とかしますゥ」などという思いがあって、結局は苦労して、揚げ句には、「別れたほうが良いでしょうかァ」などとわしに相談をする始末じゃ。あとから金のことでワーワー言うのなら、「始めから福相の男と結婚せんかい」と、わしゃ言いたいわい。
次は、亭主が一生懸命働いておるのに、好き勝手に《散財》したり《浮気》したりするラリホー女房じゃ。困ったものじゃのう。「そんな女房は叩き出してしまえ」と言いたいところだが、女房に浮気されるような亭主に限って、その辺が埒が明かんのじゃよ。じれったいのう。
次がマザコンじゃ。親の言うことばかり聞いてからに、女房の言うことに取り合わん、気持ちの悪い亭主がおるのじゃよ。実際。「馬鹿者、そんな亭主とは即刻別れてしまえ」と、わしゃ言いたい。
次はお互いの親じゃ。子離れしてない親ほどご苦労な者はないのう。夫婦のことに一々口を挟んでからに。自分の子供じゃ。もっと信用して、大きな目で見守ってやれんものかのう。自分の子供を信用できんというのは、そりゃ、自分を信用できんことじゃわい。ご苦労さん。
その他、性格の不一致とか、性の不一致とか、まだまだ別れの要素はようけあるが、結局は、恋の病に罹って、惚れた晴れたで目が曇って一緒になった結末がこれじゃ。ご交際とやらをする前に、人相を見る目を養っておかんから、後でワーワー言うのじゃよ。
相手をわしのところへ連れてくれば、相手の性格から運命から、相性などを、見たままにズバッと言うてやるわい。張り切って、「先生連れて来ました」という可愛い乙女もおるが、結構、「あんさん、別れなはれ」の口が多いのじゃよ。自信を持って連れて来たのに、可哀想じゃのう。
以上、何回かの連載で、人相の見方や、運命の法則や、開運法などの話をして来たが、わしの好きな運命のことを話し出したら、それこそ果てが無いから、この辺りで「易者の独り言」は終わりじゃ。
わしと縁のあった人が、一人でも多く幸せになりますように。と、祈りつつ、さようならじゃ。長いことワシの話しに付き合うてくれて、本当に有り難う。必ず幸せになるじゃろう。
人相術をもっと深く知りたい人は、前に紹介した「人相術講座・全十八巻」で勉強してもらいたい。それと、易者の独り言は終わったが、これからもあれこれ発表するつもりじゃ。
次には、人相術の専門ではあるが、「人相術用語辞典」という堅苦しいのを載せるから、人相術に興味のある連中は是非とも見てもらいたい。それじゃ、皆の衆、ありがとう! バイビー!
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