昔から九星(きゅうせい)と言われていたものを、大正館の園田真次郎という先生が、気学と改めて、新しく講義したらしい。今では気学と言うほうが通っておるようじゃ。市販の高島暦などの、「今年の運勢」などというのは、大抵は気学でやっておる。一白(いっぱく)、二黒(じこく)、三碧(さんぺき)などと言うのがそれじゃ。
最近は、九星と気学を一緒にして、九星気学などと言う者も増えた。誰が言い出したかは知らんが、ぶっかけ丼という気がせんでもない。
気学を勉強したら、どんな事が判るかということだが、それは良い本をしっかり読んで、実占してみて自分で確かめることじゃのう。「何でも先に先に聞いて回るようでは、決して本当の事は判らんぞ」と、言うものの、実は、わしは気学の専門家ではないから、経験上ではその効用がよう分からんのじゃ。
わしは、方位の吉凶にしても、何にしても全部人相で判断しておるが、客が九星を気にする場合には、「九星ではコレコレシカジカじゃ」と説明しておる。
大体がじゃ。最近は、移転や普請増改築などの方位の吉凶の判断は、九星で見るのが当たり前のようになっておるが、おかしな話じゃ。易者は易で方位の吉凶を判断し、人相見は人相で判断し、他の占法を得意とする者は、その占法で方位を判断するのが当然と思うが、どうであろうか。さて、気学の本だが、
○園田真次郎著【気学大全集(四十一冊)】は、方位講義録、家相奥伝講義録、その他、気学の全てに亙って説いてある。さすがに気学宗家だけのことはあるのう。わしは若いころに懐具合を見ながら、その都度園田真次郎先生の本を購入しておったが、これだけ揃って発売されるとは、本当に嬉しい。東京に住んでおったなら、大正館へ飛んで行ってでも、直接に習っているところじゃ。
気学を極めたい者は早速、目録を送ってもらってはどうじゃな。今の気学の大家の殆どが大正館で習っていると聞いたことがある。少々値は張るが、思い切って揃えてみてはどうじゃな。
わしが十八歳位の時に、東京の鴨書店に寄ってから、その足で大正館を見たくて尋ねたことがあるが、大きな屋敷じゃった。まだ学生服のままで尋ねて、ぶっきらぼうに気学の勉強の仕方を聞いたものじゃ。しかし、学生服のヒヨッコのワシにも丁寧に受け答えしてくれて、帰り際に、「これをあげるから読んでみなさい」と、三冊ほどの冊子を下さったのを思い出す。やはり、宗家は宗家の貫禄というものがあると思ったものじゃよ。
○中村文聡著【気学占い方入門】(新)は、気学の気の字も知らんような、初めての者にも打って付けじゃ。実際、気学が初めての者には、わしはこの本を勧めておる。実は、わしが最初に読んだ気学の本がこの本なのじゃ。懐かしいのう。
【気学精義・同会編】、【気学家相講座・全五冊】、【気学密義・七大凶殺編】も良い。
【九数雑占秘録】(新)は、気学を一通り勉強してから読むと良かろう。ちょっと変わった内容だが、面白い。まさに雑占にピッタリじゃ。
○前沢一光著【気学と幸運】(新)は、「著者は気学宗家二世を継承」とある。著者の学識と気学への思いが、二百五十ペ―ジ余りに濃縮されておる。 ○佐藤六龍著【気学活用秘儀】(新・古)は内容が緻密。 ○宮田有峯著【気学(方位編)】(新) ○富久純光著【気学傾斜秘法】(古) ○田口二州著【気学の見方】 ○田中胎東著【大気薬用必携】
○小林章恭著【気学方鑑必携】(新)は、九星の象意も載っていて、蛇腹版でもあるし非常に重宝じゃ。○山本光養著【真気学方位便覧】は、毎年発行されており、その年の九星なども載って、蛇腹版で便利じゃ。
○尾栄大寛著【家相吉凶秘伝】(新・古)は、図解が多いので分かり易い。 ○宮田有峯著【気学(家相編)】(新)は、丁寧で分かり易い。○多田鳴鳳著【洛地準則詳解】(新・古) ○山田照胤著【家相の見方】も分かり易い。 ○横井伯典・佐藤六龍共著【家相の見方】 ○松平英明・本間五郎共著【家相の科学】 ○中村文聡著【新家相学】 ○佐藤六龍著【良い家相・方位の選び方】
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