【第50回 四国合唱コンクール】
                          白神 直之


         

去年「3位銀賞」という結果に、悔しさのあまり女性陣は涙を流した高知からの 帰り道。

わずか11人で初めて挑んだコンクールとしては“まずまずの結果”と指 揮者は思っていた。

しかし、みんなの気持ちはもっと高いところにあったという ことを知り、驚きとともに

“来年は絶対金賞をとる”という明確な目標ができた 。

幸い女性を中心にメンバーも17人に増え、いろんな曲に取り組む準備は整った。

自由曲は、最近あまり取り上げられなくなった「昭和の名曲」をやろうと思った 。

僕が学生時代初めて聴いた時に、その歌詞の重みと旋律の奥深さ、移り変わりに 衝撃を受けた「嫁ぐ娘に」・・・

ディヴィジョンは多いが、年齢的に今のセレア ンならちょうど感情移入しやすいのではないかと思った。

練習では、いつも以上に進行速度がおそかった。しかし歌い込んでいくうちに、 母と娘のいろんな思い出、

そして娘が新妻として親からはなれていく場面、その 苦しいほどの心境の変化・・・

いろんなことがまるで自分たちのことのように思 えて、身体の中に入ってくる。練習中に涙するメンバーもいた。

音やハーモニー が正確であっても、それだけでは人の気持ちは動かない!ということである。

本番もスムーズに演奏に入ることができた。課題曲のG2はラテン語の現代音楽で きれいな旋律をある程度(?)

表現することができたかと思う。でもあくまで宗教 曲なのでその“祈りの気持ち”を醸し出すのは難しかった。

自由曲は今のセレアンではベストの力を出せたのではないかと思う。あとできい た話しだが、客席で聴いてくれていた友人が

「となり座ってたおばあちゃんが泣 いてたよ」と・・・演奏者として、賞よりもうれしいことかも知れない。

結果は「2位金賞」♪・・・順位は1つしか上がっていないが、銀賞と金賞のちが いは、演奏している人間にとって

その重みは全然ちがう。今年は松山から女性陣 がうれし泣きで帰ったことは言うまでもない。

しかし、このまま来年もトントン拍子にはいかない!ことも長年合唱やってると わかっている。

来年また四国の仲間たちといっしょにコンクールで歌い合える (会える?)のを楽しみにしている♪

                                      
      
         演奏終了後の写真撮影
      まだ結果発表前でくつろぎムード(^^ゞ