杉本洋一研究室

 生産年齢人口が減少していく日本においては、働き手を増やすこと、労働生産性を向上させることが重要です。
 この社会的課題への認識を踏まえ、不用な人はいないという発想のもと、個人が持つ生来的な強みを協働関係の中で活かしあう方法論を提案したいと考えました。その際、協働の具体的な場面を、企業や教育現場で広く導入・活用されている協働形態である「チーム」に求めることにしました。
 ただ、世の中にあるすべてのチームを対象にするのではなく「チーム設計のチームは、単に、異なる分野の専門家の寄せ集めではない。目標に向かって協調し、個々の知識・経験の和を超えた新しい知恵の創造が責務である。協調の持つ重要性を強調して、チーム設計(Team Based Design)は、協調設計(Collaborative Design)とも呼ばれる。」(福田、 2008)というコンセプトに該当するチームを対象にすることにしました。
 また、その方法論が、裾野広く利用されるためには、「学術的な原理があること」「実施容易であること」「倫理面に徹底した配慮があること」の3条件を充足することが必要であると考えました。
 以上のような背景と動機のもと、誰もが持つ資源である「性格」に焦点を当て、心のクセを活かすという切り口から、実践的なチームワーク教育を研究しています。

                       引用文献: 福田収一, デザイン工学 (2008), 放送大学教育振興会, p.43.
                                            写真左端は引用文献の著者