Vento di mare

  



出港の準備は急テンポで進んだ。
シャンクスが帰った次の日には全員に集合命令がかけられ
(シャンクス自身は、オレンジチョコレートを背負ってお出かけした。
 “遊び相手”には、たいそう歓迎してもらったらしい)
その次の日には全員、海の上にいた。

よく晴れて、気持ちのいい風が吹いてくる、絶好の船出日和。

誰も彼もが上機嫌だった。もちろん、シャンクスも。






「なー、今回えらく弾丸を仕入れてんのな。よくそんなカネがあったな」


前回の稼ぎは、たいしたものではなかった。
船長として一番多くの分け前を得ているシャンクスが一番よく知っている。
ベンが、またぞろ自分の取り分から出費したのかとも思ったが、それにしても多すぎた。


「ああ、高値で売れたからな」

「へ、なにが?」

「あんたのオレンジ」

「へ?」

「あのオレンジチョコレートはな、ウェスト・ブルーの国ではけっこうな値で売れるんだ」


「なんせウェスト・ブルーじゃ材料も手に入らないし、手間もハンパじゃない」

ヴォンド・メール(海からの風)と言ってな。
しれっとして副船長は語る。

「弾丸代くらい余裕で出たぜぇ、さすがお頭だな」

有能な副船長は、明後日の方向を見たまま続ける。

「ん?どうしたシャンクス。口をぱくぱくさせて」


「おまっ、おまっ、それを知ってて」

「あー俺は何でも知ってるさ。なんせあんたの副船長なんだからな」

「抜かせーー」

罵声と共に飛んできた拳は、しっかりと受け止められた。






2002.3.4



オマケ〜

☆ ヴォンド・メール(海からの風)というチョコレート
  実はホントにあります。  食べたことはないのですけど。
  白銀台の「ショコラティエ・エリカ」さんに。
  でも、今回のモデルは、地元のお店。
  「Tarte aux Pomme」さんのオレンジチョコレート。
  名前はないというので、まんまオレンジチョコレート〜(^o^)

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