てんかん講座と相談会
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徳島のてんかん医です。「てんかん医が見た記憶の謎」などの新聞連載があります。 1.てんかんってなーに。 糖尿病はインシュリンの不足によって、結核は結核菌の感染によって、インフルエンザはインフルエンザウィルスの感染によって、アルコール性肝炎は飲酒のしすぎによって、と言うふうに原因があるわけですが、それではてんかんはどうして起こるのか。 脳神経細胞のシナプスの不具合によって起こると言うのが答えです。シナプスは神経と神経をつなぐ部分です。神経伝達物質と言うものがシナプスの中を泳いで電気信号を伝える仕組みになっています。 ものを見たり聞いたりかいだりした情報は、シナプスを通って大脳皮質に伝わります。その情報は記憶となって大脳に記憶されますが、貯蔵される場所も大脳のシナプスです。シナプスは情報伝達のための装置でもあり、情報が何回も通過することで記憶装置にもなります。 てんかんの場合は、このシナプスの電気信号の流れが何らかの原因で過剰に流れるために発作が起きます。この過剰な流れを止めるために抗てんかん薬を飲みます。薬物療法といいますが、適切な薬を内服すれば8割以上のてんかんは治ります。 2.徳島のてんかん医療の歴史 適切な薬を出すということが、現実にはなかなか難しいことのようです。20数年前に徳島に戻ってきたのですが、てんかん医療はまったくひどい状況でした。デパケン医者とわれわれは呼んでいるのですが、どんなてんかんにもデパケンが出されて20年も30年も発作が止まっていない患者さんだらけでした。詳しくはこのホームページのアンケート欄にたくさんの患者さんが記述しています。徳島県に限らず、脳外科医にデパケン医者は多いようです。副作用が少なく使いやすいということなのでしょうが、効かなければ元も子もありません。 私は日本てんかん協会徳島県支部を作り、患者さん自身が賢くならないといけないという啓蒙活動を続け、徳島県のてんかん医療の最後の砦として、多くの患者さんを受け入れ、発作を止めてきました。難治例については静岡てんかんセンターへ送り手術をしてもらうことを10年前からやっています。さて、徳島にてんかんセンターができましたが、実体はてんかん手術センターで、脳外科医が手術する症例を集めるために作ったセンターです。 こういった経緯でで生まれた、にわかづくりの徳島のてんかんセンターはその専門性に疑問を感じることもあり、おかしいと思ったら、どんどんセカンドオピニオンを求めた方がいいと思います。誤診されて間違った治療で時間を浪費したら元も子もありません。ん。最初から渚クリニックを受診していれば済むことですが、笑。手遅れになったケースも何例も知っています。 脳外科的手術を勧められた場合も早まって手術をする前に、いちど渚クリニックにご相談ください。公正な判断をしてアドバイスします。また、術後思わしい結果が出ない場合も、その手術が妥当だったかどうかの相談に乗ります。 センターの名前に幻惑されないでください。必ずしもてんかん学の最先端あるいは最善の治療をやってくれている施設ではありません。
センターができた時も、出入り業者にたかり同然の行為で、てんかんセンターの名前を広めようとした胡散臭い過去があります。役職の公務員がこんなことやったら犯罪でしょう。 こんな患者さんが来院しました。徳島新聞を始めとして全国の地方紙に掲載された記事ですが。 失われた30年、副作用に耐えた日々 30年を返してくれ、とその患者さんは言います。 5歳でてんかんを発症し、小児科、脳外科、精神科、神経内科と渡り歩いて10ヶ月前に私のところに来た患者さんです。尻餅をつく発作が毎月あり、一生治らんと言われて、諦めていたそうです。 抗てんかん薬が5種類出され、向精神薬や抗うつ薬、抗不安脈が4種類出され、全部飲むとしばらくは立てなくなり、ろれつが回らなくなるそうです。薬を減らしてください、と頼んでもどこの先生も変えてくれないのでここに来た、とお母さんが言います。これだけ飲んでいたらどの医者も減らすのは怖いのだろうと思います。 どうして向精神薬がでているの?と尋ねると、数年前に変なことを言い出したので向精神薬が出されたらしい。どんなこと?と聞くと、血液が逆流して首のところに溜まっていると。診察の度にしつこく言い続けたら向精神薬が追加されたらしい。 血液が逆流するという感覚はてんかん患者さんからよく聞きます。精神症状ではなくて自律神経発作なので、とりあえず抗てんかん薬以外を切ってどんな症状が出るのか確かめることにしました。てんかんの薬も基本的に減らす方針で調整します。 1ヶ月後、新しく追加した薬が効いたのか、発作は起きませんでした。頭がボーとしたのが取れてスッキリしたと言います。向精神薬の眠気とだるさで生産的な日常生活が送れず、副作用に耐える日々を送っていたようです。 2ヶ月後にさらに減らそうとすると抵抗しました。減らしたらダメだ、発作が起こると。不安感のためかなりしつこいです。母親や姉の助力を得て減らしました。3ヶ月後、4ヶ月後も減らすことに抵抗しました。半年ほど立って、内服薬は抗てんかん薬の3種類まで減り、やっと減らすことに抵抗しなくなりました。 その時彼が言った言葉が、30年を返してくれ、です。 学校を卒業して一度就職したそうですが、発作のために辞めざるを得なくなり、それ以来、何かやりたくてもダメダメと言われ続け、“バスもよう乗らん”状況です。 ◯◯年返してくれ、はえん罪の人からよく聞く言葉です。限りある人生ですから、無駄に費やした年月が悔やまれます。モモの“時間の花”で取り返してもらえれば一番いいのですが。 時間の感覚は人によって異なります。何かやりたいことがある人には時間が足りないと感じますが、やることがないと長い1日です。発作が止まった彼にはこれから凝縮した時間が舞い降りてくることを祈っています。 2018.11.10ブログより 長年、いい加減な治療をやってきた施設が、看板すげ換えただけで、あたかもてんかんの中心的、専門的施設のようなふるまい。間違った治療なされて、手遅れになって私のところへやってきます。 自分たちの施設以上の治療をやっている施設がいくつもあることをお忘れなく。 患者が集まらないのは腕のせい。名前を宣伝して集めるのでなくて、地道に腕を磨いたら、学会誌に研究発表するなり。 徳島の講演会で、3種類の薬が効かなかったら手術をするというのはおかしいと私が言ったら(これは学会の主流です)、脳外科医から非難がましいことを言われたが
、患者は脳外科医の業績を上げるためのものではありません。自分の家族がてんかんになっても3種の薬で止まらなければ手術するのですね。 それから施設を作った業績で要職に着いたようだけど、公務員がたかりのようなこともやって晩節を汚さないことを祈ってます。(出入り業者への職業的優越地位を利用した濫用行為の禁止事項) 2018.11.15ブログより 「誤診について」 誤診をしたことのない医者はいないと思う。 やってもしょうがない誤診と、まずい誤診があることに気づく。 胃潰瘍を胃がんと誤診する場合、あるいはその逆の胃がんを胃潰瘍と誤診する場合である。 どちらが深刻な結果になるかは言わずと知れたことである。 徳島のてんかん治療の最後の砦として20年間近くやってきたが、様々な誤診の患者が当院へやってきた。診断を間違えている場合と治療を間違えている場合の2つがあるように思う。 2年薬を飲み続ければ治りますよと説明を受けたが、説明した医師は2年後に転勤し、発作は止まっていない。診断も治療も間違えていたようで、エトスクシミドというおそらく徳島で使っているのは私くらいであろうが、この薬で止まった。 あるいは小児の良性てんかんなのに、3剤投与されて発作が止まっていなかった患者さん。これは治療が間違えていたことになる。1剤で止まる。 あるいはDravet症候群やDoose症候群など非常に稀で難治性のてんかん群があるが、これらの症候群は見落としたり誤診をする事は禍根を残すことになる。West症候群やLennox-Gastaut症候群、太田原症候群と並んで早期発見早期治療が原則であり、洗練された専門的な知識が必要である。 これ以外にどんなてんかんにもデパケンを出すデパケン医者もいる。 病院の大きさやその名前に幻想を抱かないことが賢明である。
ホームページのアンケート結果にはこういった話がたくさん書かれていて徳島のてんかん現場に危うさを感じますが、こういう風にならないためにも、病院の名前とか規模に惑わされないでほしい。治すのはひとりの担当医です。 https://blogs.yahoo.co.jp/kuroyamachuuma/40132066.html 発作を止めることで、患者さんの人生を変えることができます。そういう理由で医師になった時にてんかん医を目指しました。 てんかん波センター院長 白河裕志
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ホームページの更新は煩雑なため、ブログに日頃の診察で感じたことをつづることにする。
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てんかんは治る病気になり、80%以上の人々が発作から解放されています。最新の臨床てんかん学の知見に基づき、てんかん分類,発作型分類をした上で、どういう薬が有効であるかという治療プランを作成し、最善の治療を行うクリニック、
てんかん波センター 渚クリニック 小松島市前原町字東19−3 痙攣性疾患の初診は、予約制 TEL08853-2-1705 徳島のてんかん医療の貧しさに驚いて、渚クリニックが誕生したいきさつがあります。誰がやっても治る病気を治すよりも、当院でしか治せない患者さんを治すことにエネルギーを注いでいます。専門的な治療の、必要な方の受診をお待ちしています。