露地栽培の柑橘類の中で最も早く出荷の始まる極早生です。この日南以外にもいろいろな 極早生と呼ばれるものはありますが、中でもこの日南一号が最も評価の高い物です。 九月中旬ころ採果が始まり十月いっぱいで大体終了です。採果の始めは二分着色・三分着 色で採果するので、少し酸っぱさの優っている品物です。 ところが熟してくれば酸味も抜け甘くなるかと言うとそうでもありません。極早生は余り 糖度の高いものではないので熟してきて酸味が抜ければ、たよりない味になります。
早生品種の中でも代表的な品種です。これ以外にも興津早生などがあります。しかし専門 家でも区別はつきません。十月中旬から十一月中旬が出荷時期ですが、極早生同様に青切 りと称し五分着色程度から出荷が始まりますので、出始めの物は多少酸っぱいかと思います。 しかし極早生と違い熟してくれば甘みも増し糖酸のバランスも良くなり美味しくなってき ます。十二月上旬ころ完熟早生として売り出されるものは、良い味をしています。
中性品種の代表的なものです。リンゴにたとえれば富士リンゴと言えるでしょうか。早生 品種に比べ味の濃いことが特徴です。早生品種は雨の多い年など糖度はせいぜい十一度前 後ですが、20号はそんな年でも十二度十三度とあがります。ちなみに私の園地での最高 糖度は十六度を記録したことがあります。 そんな優れた特質を持ちながらひとつ難点があります。熟してくるとともに果皮がブカブ カとしてきて、浮皮と言う現象が出てくることです。これがなければ何とも言えないみか んです。
一般的に普通温州と呼ばれていますが、南柑四号ともいいます。20号同様味の濃いみか んですが、20号同様浮皮の欠点も持っています。採果当時は酸味が強く生食にはいささか 耐えがたいところがあるので、採果後倉庫で貯蔵することで酸味と甘さがころよく交わり あって良い食味になるのを待ちます。それを予措するといいますが、ワインやスコッチが 樽の中で熟成していくことに似ています。 一月ほど寝かせた後の年明け後の出荷となります。少し中の袋が硬いことが欠点。
一月中旬ころスーパーの棚で目にするものは大田ポンカンといい早生ポンカンです。奥手 の物に比べれば酸味は少ない物の糖度も低い。したがってあまりうまいとは思えない。奥 手には今津・吉田などが知られているが同じものと思って差し支えない。 奥手のポンカンは旨いのは旨いのだが、果汁の少ないものが時期的には見受けられる。ポ ンカンは十一月・十二月の気温によって熟期が左右されまたその時期の雨量によっても味 が左右される。採果が越年した場合、雪害によるヤケ果など多発し被害が大きい。みかん 同様完熟させれば非常に味は良いのだが、お天気相手ではそれは許されない。
早生品種の中でも代表的な品種です。これ以外にも普通伊予柑などがあります。
デコポン
ネーブルとポンカンの交配品種です。熊本の果樹試験場で開発されました。 開発当初の名前は不知火と言います。