愛媛みかんの特徴は味が濃く後味の良さです

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宇都宮青果

愛媛ミカン美味しさの秘密

 美味しいみかんのできる条件は、みかんに最も適した環境で育てることが重要であることは言うまでもありません。

その環境とは、一見矛盾しているかのように思われるかもしれませんが、排水性が高く保水力のある土壌にあると言えます.そしてその土壌を育む温暖で優しい光の存在が欠かせません。  

もう一点夜温の低さがあります。言いかえれば昼と夜の温度差が大きいということです。その差が大きいほど紅く糖度の高いみかんになります。  それらの条件をすべて備えているのが、愛媛なのです。

みかん栽培の一年

 

みかん作りの一年は採果の時に始まっています。採果時果硬部を残して摘み取ります。果硬部からは翌年の春大変良い芽が出ます。  

年内に採果した後5月連休ころの開花までに、2月ころ苦土石灰を施肥、3月の暖かい日を選びマシン油の散布を行います。  

また2月に入ると少し早いですが、剪定を始めます。剪定時に翌年の結果母枝を確保するため予備枝を設定しておきます。  

3月には苗木の定植を行います。定植後の管理次第で大きく育ちもし育たなくもなります。1にも2にも水を与えることが大切です。 

花の開花は10日間程のずれがありますが、大体5月連休あたりです。花が開花を始めますと訪花害虫の防除をします。一般的に2部開花と6部開花の頃2回防除をしますが私は6部開花で一度しかしません。  

訪花害虫防除が防除の始まりで、その後黒点病・灰色かび・アザミウマ・カミキリムシ・ダニ・カメムシ・腐敗防止等々収穫まで続きます。  

開花から3週間ほどすると第一次生理落果が始まります。これに合わせ私は摘果を始めます。摘果は大雑把な粗摘果・精品率を上げる仕上げ摘果と収穫直前まで行う。摘果が終われば収穫まで少し手持無沙汰であるが、この間も病害虫防除・雑草処理・園内 道を整備したりと、仕事はいくらでもあります。  

さてみかんの実も紅く色好きいよいよ収穫の時期になります。9月下旬の極早生に始まり早生・南柑20号・普通温州へと移っていきます。大抵終了するのが正月の目前と言うことが多い。この頃になると身も心もクタクタで、箸を持つのもシンドイような按配になります。  

収穫すれば撰果・撰別をしなければいけませんが、これがまた大変な作業で夜寒い倉庫で鼻水を垂らしながら一人コトコトと撰果機を回してする作業には、泣きたくなる時があります。  

このような風にしてみかん農家の1年は過ぎていくのですが、年が変わればまた同じ一年が待っています。

 

何が楽しくてみかん作りをしているのか分からないが、何故か楽しい。それがみかん作りです。