ゆらり内海  愛南町須ノ川286

営業時間:10:00〜21:30 湯銭:500円 不定休

 R56号線を南下し愛南町に入ってしばらく行くと国道沿いにこの建物がいきなり見えてきた。 このあたりに温泉浴場ができたことは全く聞いたことはないのでちょっと寄ってみると、何と潮湯を目玉とする公衆浴場ではないか。潮湯を推奨する私が見逃すわけにはいかない!と予定を変え、真っ昼間にもかかわらず「ゆらり内海」へ入ってみる。

 内部もこぎれいで品のある内装であるが時間帯のせいか客は少ない。脱衣場も広くもなく狭くもなく、白の壁と木調のロッカーと同系色のマットで落ち着いた雰囲気だ。
 浴槽もなかなか味のあるつくりだ。壁の下部は石垣、上部は明るい色で浴槽はライトブルーで清潔感がある。 よく見ると浴室の備品はそれぞれ個性のある興味深いデザインだ。
 潮湯はというと、「愛南町家串にある海洋資源開発センターから、40ミクロンのフィルターでろ過された海水を陸送して、お風呂にしています。この天然の海水には、ミネラルが豊富に溶け込んでおり、「新陳代謝」「保湿効果」「美白効果」などさまざまな効果があります。」と書いてある。潮湯浴槽は広く、写真のように半球状の岩から潮湯が流れ出ている。パンフレットによると女湯ではシャコガイから流れ出ているようだ。

 ここの目玉の浴槽は2つあり、残りの一つはマイクロバブル湯だそうだ。このマイクロバブル湯は、「県内唯一のマイクロバブル湯は、浴槽に非常に細かい数ミクロンの泡を発生させます。からだを包む細かい泡は、毛穴の汚れを落とし皮膚を浄化します。保湿効果やマイナスイオンの発生もあり、女性には人気を得ています。」ということで、好立地と現実的な効果をねらった施設であることがわかる。名ばかりの温泉などいらない!という姿勢に好感が持てる。

 サウナは、男湯では高温サウナ、女湯は塩サウナだそうだ。水風呂もまん丸で、各浴槽には丸い手すりがある。全体的に強い個性はないが暖かいながらも洗練されたデザインと浴槽配置・配色・照明であると感じた。潮湯のまわりのタイル張りの壁には写真でも分かるように珊瑚礁などの内海の美しい海の写真がラミネートして貼ってあった。 タイル絵がほしいところだが手作り風でそれはそれで好感が持てる。 注意書きや浴槽説明も和紙に墨書きしたものをラミネートしたものが貼ってあり、安上がりなものながら温かい感じで気持ちが伝わる。

 レストランや売店もそのデザインや備品なども洗練された落ち着いた雰囲気がある。売店に陳列してある商品も内海の良さが伝わる商品が厳選されており展示の仕方も含めて思わず一通り見て回った。写真のような海岸に打ち上げられたものでつくったオブジェや色とりどりのヒオウギ貝でつくった小物などのさりげない展示もある。私は原則としてお土産は買わないことにしてあるが、なぜかちょっぴり購入してしまった。

 今回はベタ褒めのレポートだが、まさに私の求めるような公衆浴場だったので、心も体もぽかぽかの状態でゆらり内海を後にした。ここを運営する会社を調べると愛南町の観光関連株式会社である株式会社グリーンエンタープライズだそうだ。私の住む地域にもこのような公衆浴場をつくってほしいと切に思う。