浴室は結構広く、写真のように側壁には岩風呂風の装飾がしている。また外は山が迫っているが、浴室の前はよく整備された庭園となっている。湯温は42度ほどで決してぬる湯ではない。給湯には以前使用していた重油ボイラを廃止して、バイオディーゼル燃料ボイラを(ふるさとうわじま応援募金によって)導入し、温室効果ガス排出量の削減とともに、燃料費の大幅な削減につながっているらしい。脱衣場の説明板には家庭から集めた使用済み天ぷら油を燃料としていることとその回収への協力への依頼文が書いてある。なお、ここのボイラー施設については希望者には宇和島市を通すと見学ができるようだ。
さて、ヘルスストンとはこれは麦飯石のことである。説明板では湯の汚れを吸着すると共に有効なミネラルを泪出する石として様々な効能があると書いてある。職員の話によると冷鉱泉の使用については、様々な制約があり止めたのだが、ただのお湯だと客が激減するので、麦飯石の使用に踏み切ったとのことであった。しかし福祉施設ということで、市外客でも銭湯料金の半分である200円の湯銭(市内の老人は100円)でありこれには驚く。ここのことを伝え聞いて、青森から来たというバイク客もあったらしい。職員といろいろのことを聞いたが、ここからは近い鬼北町には100円で入浴できる温泉施設があるらしいとのことである。ここにいた老人もここが休みの日にはそちらを利用することもあると口をそろえて言う。そこは今までチェックしていない公衆浴場だったので詳しく聞いたが屋号とかも分からない。客の一人が電話番号なら分かるというので、教えてもらって電話してみるとそこが清水(せいずい)荘であることが判明した。私もいずれ老人になるわけだが、南予以外ではこのような施浴施設については聞かなくなった。各公民館に地域の者のための温泉設備がある別府の素朴な公衆浴場に似ている。でも、別府はお湯が湧くがここでは燃料が必要である。いろいろと話を聞いていてこのような施設を運営できるような南予の町が私にはうらやましく思われた。