祓川温泉  宇和島市津島町槙川203-1

営業時間:11:00〜20:00 休日は1・20日と年末年始

 津島町が平成9年から整備を進めていたこの温泉は、平成10年6月2日リニューアルオープンした。(開館式は5月30日)新施設は木のぬくもりが伝わるロッジ風の造りで、休憩室と浴室の5棟からなる。浴室は家族ぶろが3棟あり、1棟ある一般用が「さくら湯」、家族風呂が「さぎそう湯」、「もみじ湯」、「りんどう湯」で地元にある植物の名を付けている。なお「もみじ湯」は体の不自由な人が利用できるようスロープや手すりを設置しているということである。一般用が1棟とは?と疑問に思っていたのだが、私が訪れたときには一般男湯を「さくら湯」、女湯を「もみじ湯」としていた。

 津島町には温泉浴場が3つもある。さらに平成13年には、国道沿いにもう一つできるそうである。その一つである馬の渕温泉をさらに山深く入っていき、高知県との県境近く、日本三百名山である篠山の麓にこの温泉はある。
 「御槇村誌」によるとこの温泉の由来は、今から二百五十年も前の1752年に篠山権現の霊夢によって教えられた泉水であるとされている。その効能についての報告を受けた宇和島藩(中興の祖といわれた五代藩主村候治世)は、山内雲庵という医者を派遣してその効用を認め、庶民の保養、健康管理に役立てたとされている。
 この温泉は、単純硫黄冷鉱泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)である。pHは8.9で、硫黄分として感じる硫化水素は1kg中4mg含まれている。ある人に愛媛には珍しい硫黄香ただよう温泉であるといわれ期待していたが、それと知らなければ分からないほどの微香でちょっとがっかりした。私は硫黄のきつい県外の温泉にの多く入っているので、ちょっと感じ方が違うのかもしれない。もしかすると愛媛の銭湯に多い湯ノ花入りの湯の方が硫黄に関しては効能が期待できそうだ。

 私がここを訪れたのは、平日の午後3時位だったので、ほとんど人影はなかった。柴犬が一匹迎えてくれただけだった。Aの管理棟にはいって三百円の入浴券を自動販売機で買っていると、人の良さそうな年輩の管理人が近づいてきて、「今はだれもはいってませんよ。」と、丁寧に男湯を案内してくれた。管理棟には休憩の部屋があって、見ると数人の老人がくつろいでいた。ちなみに家族風呂を使う場合は一棟につき千円である。
 管理棟から下足のまま渡り廊下を通り、「さくら湯」の脱衣場に入る。脱衣場は狭くて、10くらいのロッカーがある。浴室は一度に6人ほどが入浴できると聞いていたが、6人ではちょっとつらいかもしれない。「さくら湯」の湯船はCのように高級感あふれる大理石で、バブルジェットもついている。が、中央部だけが深く(といっても50cm程度)なっている構造なので、どっぷりと肩まで浸かるといいうことはできそうもない。湯だし口もせっかく大理石で作ってあるのに、ステンレスのカランから落ちる湯をちょっと受け止めるだけになっている。バブルジェットは、浴室にスイッチがあって使いたい人がそのスイッチを押すのだが、脱衣場にも目立つ位置に同様のスイッチ(もとの電源を切るためのスイッチ)があって、最初はそちらを押したのだが、当然作動しなかった。
 Dの洗い場は石鹸置きも大理石であるし、出方を調整できるシャワー付きのコンビネーションカランはすっきりしていて気持ちよくまとまっている。置いてあるシャンプーとボディーソープは巧みな表示で消費者に誤解を招きやすい?とも言われているライオンの「植物物語」である。デザインはいいのだが..。

 入浴後、裏手にの駐車場にでてみた。山水が石臼に通していたのを飲むが、もうひとつ!(なまぬるい)。裏山にはBのような源泉らしき設備が見える。各浴室はEのようにロッジ風で、湯沸かしの設備もロッジで独立している。Fはさくら湯の設備であるが、ここは一番大きな浴室をもち、バブルジェットもあるので、なかなか複雑な配管となっている。

 再び管理棟に戻り、効能書きなどをチェックしていると、管理人が再び近づいて来て、パンフレットに効能書きをくれ、さらに待っていろと言って、由来書までコピーしてもらった。この温泉の前も造成地のようだが、工事は途中でほってあるようだ。そのうち何か町の施設ができるのかも知れないが、津島町のドル箱である真珠産業の壊滅的な受難の時期にあってこのような状態になっているのかも知れない。
 車に乗り込み、帰ろうとする頃、ぱらっと雨が降りだした。すると眼前にの山に虹が現れた。それも日の当たっている部分だけが七色に輝く珍しい虹で、思わず目を引きつける光景であった。このような歓迎はなによりうれしく、心に残るものだ。(平成11年9月20日)