馬の渕温泉  宇和島市津島町山財5859 廃業

営業時間:14:00〜20:00(夏20:00) 休日は火曜日・年末年始

 宇和島市街から南下して長い松尾トンネルを抜けたら津島町である。津島高校を過ぎて左折し、県道4号線に入り岩松川をさかのぼる。山財ダムへの道を左に見てしばらく行くと、川を挟んでこの温泉が見えてくる。バス停「馬の渕」の下から湯乃橋を渡る。こじんまりした建物の入り口に「馬の渕温泉」の掲示がある。ここの温泉は、pH=8.2の低張性アルカリ性冷鉱泉である。

 私が最初に行ったH8年2月にはぼろぼろになった老人保養センターが前にあったが、H26に行ってみると、保養センターはでっかい特別養護老人ホーム湯乃香荘という施設ができていて、その代わりに昔営業していた馬の淵温泉の施設は廃業している様子だった。右の写真はH8とH26の写真である。道路にあった馬の淵温泉の道標は外されて、自動販売機も無くなり、屋根には雑草が生えている。中を覗くとほこりをかぶった備品が積まれているのでもう廃業してかなり経つと思われた。ただ、ポストには先月の電気使用量のチェック表が顔を覗かせていたので、まったく再開の希望が無いわけではないのかも?
 というわけで、以下はH8年の訪問記である。

 入ってすぐのところにカウンターがあって湯銭を払い、奥の道路側の休憩室に入る。山手側が脱衣場と浴室で、奥の方が男湯でである。休憩室にはテレビもあり、一番奥にトイレがある。脱衣場の天井には外観からも分かる明かり取りがある。ロッカーの扉の向きが使いづらい。浴室はそんなに広いわけではなく、普通の家のちょっと広い浴室程度のもので浴槽の一つである。中央に洗い場があるがコンビカランが5つも並んでいるので幅が狭い。二つの換気扇があるが中はかなり湯気でこもっていた。

 今は一般に入湯することこそできないが、身体の不自由な地域のご老人は隣の施設で利用することができる。そういう意味では必要な人に返されたってことなのかもしれない。車を利用したらさほど時間をかけずに「津島やすらぎの里」まで行くことができる。あれだけの設備ができれば、この程度の小さな温泉は役目を終わることになるのだろう。