中に入って、脱衣場を見渡すと、番台の前にカーテンの掛かった体重計、外側の低いロッカーの横にベンチが並び、よく磨かれた床の上にイス?が3つ置いてある。しきり壁の方にも低いロッカーがあり、鏡の横には詩人の銭湯に関する文が貼ってある。そうしてさらになんと「よど号ハイジャック」の犯人のポスターも貼っている。
浴室には外側中央に白湯があり、緑系の丸石形タイルが敷いてあって、勢いよく湯が吹きあがっていて、泉のような演出をしている。外側の奥には黄色がかった湯ノ花の小さな薬湯の浴槽がある。その間に注意書きが3つあるだけで、他には飾りも何もなく、浴槽が外に寄っていることもあってがらんとしている。しきりの壁にはパイプを引いた固定シャワーと黒と赤青の一般的なカラン(一組は壊れている。)があるが、外側にあるカランは全金属製の年代物(使えない)もある。しきりには青く塗ったブロックガラスが使われている。天井は板張りで、色ははげかかっていて、中央に小さな蒸気抜きがある。壁のペンキにも小さなひびが見られるが、それが良い味を出しているともいえる。
銭湯を出て、夕方の薄暗くなってきた西の空を仰ぐと、宇和島城の上にカラスの大群が舞っていた。
平成12年に行ってみると残念ながら廃業していた。