のれんをくぐり中に入って番台に湯銭を置き、靴を脱いで脱衣場に上がる。中にものれんがあって番台から脱衣場は見えにくくなっている。気を遣ってのことだろうが、本来の役割という点ではどうなのだろう。脱衣所には仕切り側の奥にサウナがある。サウナは戸だけが古くそこには□湯となっているので、廃物利用なのかもしれない。中は落書き一つ無くきれいで、気温は90℃で結構広い。
脱衣所の天井と表側の壁に2つの扇風機がある。奥の脱衣ロッカーは三段になっていて、下は籠棚になっていて、上二段は白ぬりの中抜きのアラビア数字が書いてある。上差しアルミキー付のロッカーだが、一つだけカギが横差しになっていた。その上に鏡とエアコンもある。トイレは外に突き出る形になっている。
浴室は奥に3つ(大きな白湯、小さなレモン湯と電気風呂)と横に一つ(水風呂)があり、立ちシャワーもある。仕切り側の壁に3つ固定シャワー付カランがあるが、水は普通の蛇口から出るようになっている。側壁は下部1mほどは白タイルで、その上は天井まで青ペンキ塗りになっている。天井は板張りで、各中央に飾り木つきの蒸気抜きがあった。
銭湯を出て帰ろうとすると近くの魚屋がちょうど店じまいをしていた。小学校4年生くらいの女の子がモップで床掃除をしているのが印象的だった。
愛媛県で最も南にある街の銭湯であるこのつばめ湯だが、平成12年の夏に廃業しているという情報があった。確認に行くとすでに住宅と駐車場になっていた。もう二度とこの素朴な銭湯を訪問できないのは残念である。