野村温泉 (西予市野村町野村4-318)
営業時間:15:00〜22:00 休日は1のつく日
野村市街から肱川を渡ると立派な三島神社がある。その正面にこの温泉はある。周りは田園地帯なので街の銭湯といった風情はない。三島神社の前方50mほどのところに「遠山はり灸院」の看板がみえるが、ここが野村温泉である。近づいてみると、「野村温泉」と書いたアクリルプレートも柱にくくりつけてある。この銭湯の見た目はとてもシンプルで、2つの入り口には広告紙の裏に「男湯」「女湯」と書かれたものがぶら下がってひらめいている。スレート二階建ての白い建物の裏側にはステンレスの煙突があって、薄い煙を上げていた。
入り口を開けると、おじさんとおばさんが話しこんでいた。県の告示が貼ってあるので、そこに書かれた280円を渡し、脱衣場に上がる。寝式のマッサージ機がドンと置いてある他にはカギ付きのスチールロッカーと籐のイスがある。マッサージ機の上には古いパインの空き缶が2つ灰皿代わりに置いてある。装飾や広告がないので、がらんとしている。よく見ると鏡にだけ松山の建築会社の広告があった。結局浴室も含め、広告となるものはこれだけであった。この温泉には昭和40年2月調べの効能書きがある。pH8.18の弱アルカリ単純泉で、正式には野村鉱泉という。
浴室にはいると、まず右のサウナルームが目に入る。今は湿式サウナの跡だけで、機械もはずされていてその前にある水風呂の浴槽にももちろん水は入っていない。緑の芝生風マットの上を歩き奥の浴室に行く。白いタイルでおおわれた明るい浴室には装飾も注意書きもない。女湯とは完全に仕切られている。
私が訪れたときには他には客はいなかった。隣に老人用の施設もあってまとめて訪れるのかも知らないが温泉と名が付く由緒正しいこの銭湯も存続が危うい銭湯ではないだろうか。