長浜なぎさの湯   大洲市長浜甲576

営業時間:15:00〜20:30(21:00) 休日は月曜日と1月1・2日 


 なぎさの湯は長浜水族館の後にできた保健センター3Fにある公衆浴場である。合併で大洲市になってからはほとんど宣伝もなく、長浜市街の奥まったところにありながらほとんど道案内もないので、旧長浜町民のための公衆浴場といった位置づけになっているようです。ところがこの公衆浴場には、近隣の浴場にない潮湯があるのです。愛媛県の温泉は基本的に単純泉で、名前こそ有名でも実質はほとんど効能のないものばかりです。私のように大分や別府・湯布院に定期的に行っている者にとっては伊予の温泉には何も期待はありません。伊予の公衆浴場の目玉は潮湯です。私の感覚では最も体に必要なミネラルの得られる潮湯の公衆浴場の有効性は下手な温泉と比較になりません。中南予でも潮湯の銭湯がありましたが、八幡浜市の清水温泉が廃業した後は明浜町、伊予市より近場では、唯一このなぎさの湯だけになってしいました。ということで今では公衆浴場に行くときは日常的にはここだけになってしまいました。
 この公衆浴場は長浜高校の隣、健康センターの三階にあるために海を見下ろすすばらしい展望が得られます。海に向かって左には佐田岬半島(遠くに伊方原発)、右は長浜海浜公園(イロハ丸)を望み、夕暮れ時には落日を眺めながら入浴できるわけです。近くの有名な双海シーサイド公園よりずっと好条件です。宣伝をほとんどしないので、小さい浴場ながら混むこともほとんどありません。長浜の漁師も多く訪れますが、それは夕方前。多くの公衆浴場では最も空く時間帯です。

 長浜には以前水族館がありました。しかし経営不振でついに廃業。しかし長浜の人々は店や学校で水槽を運用しその集合体として長浜水族館を継続運営しているのです。その中でも、本格的に取り組んだ長浜高校自然科学部の海水生物ミニ水族館は反響を呼び、全国から入学者がやってくるようになりました。なぎさの湯がある健康センターにも1Fに海水水槽があり長浜水族館の一翼を担っています。

 この公衆浴場には白湯と潮湯(バブルジェット式)の浴槽があります。銭湯料金なのにシャンプーも常備しています。私は一度ここで靴を盗まれました。たぶん間違って履いて帰ってそのままになっているのでしょうが...。でもここを利用し続けています。潮湯の魅力はそれほど大きいのです。
 なぎさの湯は長浜町が公的に運営していましたが、大洲市の統合でかなり厳しい立場に追いやられたようです。従業員の方の愚痴が私にも聞こえて来るくらいなのですから大変なのでしょう。でもエレベ−ターを3Fで降りたらすぐにあるカウンターでは笑顔で元気に迎えてくれます。この3Fには休憩室もあって、そこからテラスに出ればさらに長浜市街や海のすてきな展望が望めます。営業時間がもう少し長いといいのですが、公営なので仕方ないでしょう。