次は営業日である。当初は週三日(火・土・日)を基準にして冬場は週末のみという営業になっていたようだが、入浴客が少ない(宣伝活動もほとんど無い地域住民のための温泉っぽい営業なので予想はできたはずだが..)ためか、平成27年段階では冬場閉鎖の週末(土・日)6時間ずつの営業になっている。
泉質は低張性アルカリ性冷鉱泉となっているが、pHは9.4もあり明かなぬるぬる感がある。炭酸水素アニオンを多く含み愛媛県の温泉としては明かにぬきんでた良泉であることは入浴してみるとすぐに体感できる。浴室はそんなに広くはないがポツポツ来る客に対応するにはちょうど良い規模なのかもしれない。私の入浴時、砥部町の人とご一緒したが、話を聞くと松山周辺の温泉浴場には行く気がしないという。この泉質を味わえばまぁ仕方ない結論であるが、私の常日頃主張する潮湯の良さの話も聞いていただいた。
廊下の掲示物を見るとこのふもと友愛館は3名の百万円を筆頭に地域の多くの方の寄付によって造られたようで、建物の間取りなどからも集会所的な機能を持つ施設のようである。すぐ上には久万高原町に多いバーベキュー用の東屋もある。谷には人工の滝(砂防ダム?)もありそれを眺めながら活用できる交流の場となっている。
このふもと友愛館への道(K210)は久万高原と道後平野を結ぶ街道の一つで、四国山地の背骨(石墨山と皿ヶ嶺の間)を縦断する井内峠へ向かっている。右上の写真はこの県道を少し上ったところから撮ったふもと友愛館の写真である。左下写真の井内峠隧道は車一台がやっと通れるほどの幅のレアなトンネルで、標高は1000mを越える。久万側東には登山道表示があり尾根に出て石墨山へ登山できそうだ。東温市側に抜けると遥か下に道後平野が広がり、峠道好きにはたまらない高度感のある九十九折りの道となる。東温側は北面であるため側壁ばかりか路上まで苔むしたうす暗い林間の道で時折見られる見事な滝と眼下に広がる道後平野の景色を楽しむことができる。展望台やゆったり離合できる幅がないのは残念であるが交通量はきわめて少ない。松山方面からふもと友愛館に向かう場合は、R33経由よりR11則之内交差点からこのK210で北上する方が迷う心配が少なくて良いのかも知れないし、名前の通りの「ふもと」を実感できるかも知れない。混雑が嫌いな人も手軽に春や秋の山を楽しむにもいいところだが、この高度差を考えると気温や季節感のずれを考えた準備をして行こう。また、夏の避暑としてもなかなか充実した温泉付ドライブが楽しめそうだ。なお、くれぐれも営業日・時間を確認をすることを忘れずに...。