冷鉱泉であるこの嵯峨山温泉は、(薪代だけで客が自分たちで沸かしていたとの情報もある)平成20年頃まで温泉を提供していたようである。しかし、保健所の指導があり営業が出来ない状態になってしまったとこの浴場の所有者から聞いた。写真のように今でも個人宅の浴場としては生き残り、写真のように煙突からは湯を沸かす煙がたなびく光景を見ることができる。近くの古岩屋荘でこの冷鉱泉を利用することができるのではあるが、このような民間信仰の歴史と文化に満ちた素朴で(田舎情緒と野趣という点でも)魅力あふれる温泉に浸かることができなくなったのはとても残念である。
近年、四国遍路は巡礼の道として世界的に知られるようになりインバウンドの対象としてもメジャーになってきている。この施浴施設も何らかの形で見直され再開出来ることを私は祈っている。