楠湯 (松前町浜747 廃業)
営業時間:? 休日は?
松前町のほぼ中心・松前駅前からまっすぐ海に向けて少し歩いくと、県道三津線の三叉路(向井燃料店)となる。ここから数十m北の道路沿いにこの銭湯がある。ここを探しているときに、路地を少し南西に100mほど入ったところの銭湯跡をみつけた。煉瓦づくりのしぶいその銭湯が、楠湯だったのかと思っていたが、近くの家の人が出てきて、ここは「鶴乃湯」跡であることを教えてくれた。この楠湯も「楠」の字が落ちかけており、牛乳石けんの派手なのれんがなかったら廃業していると思われかねない。
脱衣場は狭いが、仕切りは昔風の興味深いものであった。浴室のタイルは比較的新しく、すみれ色に白いストライプのある壁の配色以外は、色のバランスも良い。天井は低く、プラスチック張りで中央に小さな蒸気ぬきがあるが、その効果は小さいようだ。奥の薬湯は珍しい漢方薬湯で、薬草の入った和紙の袋が2つ入っており、湯もお茶のような色をしている。潮湯は塩水に熱湯を加えたもので、海水より塩分が薄く、ちょうどスープには適度な塩加減であった。客は多いが、ほとんどが角刈りの40前後のがっちりした男である。ザバッと入り、体を洗ってさっと出ていく。女湯はとてもうるさく、とても活気のある銭湯であった。