ことぶき湯 (松前町北黒田581-4 廃業)
営業時間:15:00〜22:00 休日は月曜日
松前駅前から旧国道を南下し、義農味噌の本社工場前の交差点から左に入っていくと、すっきりした煙突が見えてくる。そのまま100mほどいくと車数台のおける駐車場のある寿温泉に着く。玄関は、素朴な昔の銭湯の風情だけれど、のれんが一つかかっているだけで、屋号や男女の表示も見あたらない。仕方ないので、他の客が入るのを待つことにした。近寄ってよく見ると、入り口に小さく「男湯」と書いてあった。番台は若く無愛想な女の子であった。2度目に行ったときは、顔立ちからその母親らしい落ち着いたおばさんが座っていた。脱衣場はほどよい広さで、天井から三枚羽根のファンがぶら下がっている。ある。ロッカーは小さめで、でっかい番号がゴシック体でかかれている。脱衣場には小さなベンチと机と椅子と体重計があるくらいですっきりしている。ボックスサウナもある。このサウナは4人くらい座れる少し古いもので、落書きもあまり目立たない。砂時計が10分計なので、せいぜい7分しか入らない私は番台の上にある時計をみて時間を計ることにした。しかし番台が若い女性であると多少は意識してしまう。
浴室には、大きな長方形の湯船がある。縦の左半分は普通の湯船で、右半分は手前から水風呂、打たせ湯、バブルジェット湯、気泡風呂、薬湯である。水風呂と薬湯は、完全に仕切られているが、他の湯はつながっている。湯は熱めで、奥の下から出ているという表示がある。薬湯は湯ノ花を溶かしたもので、打たせ湯はこげ茶色のサッシで囲まれていて、故障しているようである。右奥には2畳ほどの空間があってその奥壁に立派な竜虎図の虎の部分の力強いタイル絵がある。他にこの空間には、ゴムなどの観葉植物の鉢が2つあるだけである。ここに寝そべっている人もいた。左奥のサッシに囲まれた空間は小さな箱庭で、立派なナンテンなどのの鉢があり、その横には信楽焼の狸がひそんでいる。洗い場は7つほどあり、固定シャワーがある。天井は中央に行くほど低くなっている。客は、学生など若い客もあって途絶えることはないし、会話も多い。また、古い銭湯であるけれど、洗い場をステンレス張りにするなど実用的に隅々が手直しされている。