380円のチケットを買って入る。浴室は多くの石をふんだんに使った重量感のあるものである。床は長石の大きな結晶の入った花崗岩で、壁の石は亀甲状に切った鉄分の多い花崗岩を組み上げている。入って左手には上灘のあたりで多く産する赤っぽい柱状節理の安山岩の柱をふんだんにつかった岩風呂風の打たせ湯がある。浴槽の湯の出口もこの石柱をくり貫いて作ったものである。水風呂の隣の小さな浴槽は少しにごっているような気もするが、普通の湯のようだ。サウナは、壁に木目の詰まった良質の木材をつかっており、上下2段で8人程度座れるようになっている。腰掛けや洗面桶もすべて木で、外に広がる日本庭園も含め、豊かな自然を意識した浴場に仕上がっている。ただ湯につかるだけなら、わざわざ行こうと思うほどではないが、食事でもゆっくりしてくつろぐのにはいい温泉である。