道後さや温泉 ゆらら    

松山市高岡町125-1 湯銭:570円 営業時間:8:00〜0:00


 平成10年2月、松山の西、新旧空港線に挟まられた地域に温泉が誕生した。地下1000mまで掘り下げて冷鉱泉を掘り当てたのである。ナトリウム・塩化物鉱泉であるから、実際には薄い塩水がでた程度ではあるが法的には温泉という名前を使うことができる。この温泉では、名前は「道後さや温泉」としっかりと「道後」の文字を強調し、ほぼ同じ泉質の「豊湯」や「久万の台温泉」に対して商業的なイメージ作りをしている。そして入口正面には各深度の岩石の標本まで提示して、いかにも温泉であるということを強調している。さらに、温泉につきものの効能書きには泉源の温度を省略し、使用温度(事務手続き的にはともかく一般客には提示する必要のある値ではない)を紛らわしい書き方で、ちょっと控えめに提示している。温泉の癒し効果を考えると、思いこみも一つの要素ではあるが、競争の激しい松山の温泉業界の中で生き抜くために様々な工夫が必要なのだろうが、酷評はここまでとしておこう。

 さて、この公衆浴場の前にセゾンというパチンコ屋がある。資本が同じであるのだろう、高い塔が建っていてそこと合同の高いネオンが輝いていて、両方の新旧空港線からの目印となっている。私が行った9月には、50台ほどとめることができる駐車場は満杯であった。チケットを自動販売機で買ってフロントに持っていく。フロント前のロビーは、テレビを見るための青のソファーと、その奥のピンクのソファー(禁煙席)があり広々としている。その奥には軽食やビールなども出す区画もある。
 チケットを自動販売機で買ってフロントに持っていくと、靴箱のカギと交換で、脱衣場のロッカーのカギを渡される。ロッカーはなかなか広いが指定のものしか使えないことになる。たしか、個人契約できるロッカーもあったようだ。

 浴室は床や浴槽は御影石でできていて、洗い場に続いて広い主浴場が左手にある。右手には水深が120cmもある立位型のマッサージ浴槽が3つならんでいる。
 露天風呂は、床は安山岩で良い青石がなかなか立派に組まれている。周りの竹がプラスチックなのが気にはなるが(管理上仕方がないのかもしれない)、屋根の造りや石組みなどなかなか本格的な造りである。照明も適度で、露天風呂は石組みを背にしているが、それに対峙するように打たせ湯があり、なかなかいい雰囲気で湯に打たれることができる。
 サウナは広く遠赤サウナなのに100℃近くあってなかなか強力であり、テレビもついている。水風呂もゆったりしているが、私が入ったときは水の交換が遅いのか生ぬるく、おかげで小学生の遊び場となってしまっていた。
 他に1500円で、3時間までゆったりできるビジネスルームというものが利用できる。大きな脱衣ロッカー、立派なリクライニングソファー等があり飛行機の待ち時間等に使われるのであろうか。広いロビーにはゲームコーナーや軽食レストランもあって、パチンコ客の子守の空間としても使われるのかもしれない。平成27年に行ったときには、正面に写真のような家族湯とホテルが増築されていた。ここではかなり高価だが韓国の伝統民間療法である「よもぎ蒸し」のエステ施設もあるようだ。「おもてなしの湯」という足湯や「ゆららわんわん温泉」という予約制の犬用の入浴施設も出来ていた。
 さて、この温泉浴場にはマスコットキャラクタがいる。右の河童である。この施設の至る所にこのキャラクタが貼られており、注意書きなどの雰囲気を和やかにしているようだ。主に「ゆらくん」がつかわれており、ちょっと無理のあるネーミングの妹?や父母はあまり目立たない。