長寿温泉 (松山市市坪北1-6-23 確認H9)
営業時間 15:00〜22:30, 休日は6のつく日
森松の銭湯も今はなく、松山市の南の郊外にぽつんとただ一つ残っている銭湯が、この長寿温泉である。椿神社の西にあるサニーマートと隣の本屋の間の交差点を北に向かい、小さな橋を渡って左折し、小川に沿って古い団地の間を抜けていくと、大きなモルタルの円柱煙突のあるこの銭湯が見えてくる。
この銭湯の脱衣場は、隅々まで掃除がゆきとどいており、心温まる雰囲気がある。体重計と身長計、マッサージ椅子と10円で使えるドライアーが置いてある。奥にテレビのある中央仕切りには、紙細工や造花がのっている。湯道具を入れた洗面器も各所にキープしてある。左奥の洗面流しの下にある子供用のゾウの水かけ(ジョーロ)には、この銭湯に来る父子の幸せな姿が想像される。ただ、原色の扉のロッカーにはちょっと違和感がある。3人ほどがやっと座れるボックスサウナの上には、大黒さんがほほえんでいる。壊れかけの3分時計を見ながら、3度ほど汗を流した。
浴室には、さまざまな浴槽があるが、まず目にはいったのは、奥の小庭である。ライトアップされたその庭の中ほどにある池にその光が反射して奥壁に波の文様が揺れている。草木の配置も良く、この浴室に落ちついた雰囲気をかもし出している。天井も高く、蒸気ぬきもある広い浴室である。奥のタイル絵は、小さな2そうの帆掛け船の浮かんだ多島海である。天井の色は淡いブルーだが、女風呂はクリーム色である。床は珍しく亀甲タイルである。洗い場もブルー系で色のバランスも良く、隅々まで磨かれていて気持ちがよい。私が入浴中にも、この銭湯の気の良さそうなおじさんやおばさんが脱衣場の掃除をしていた。手前の浅い気泡湯で横になったり、他のさまざまな湯を試してくつろいだ。