白水湯 (松山市 室町2-7 廃業)
営業時間 14:30〜22:00 休日は1日・17日
そごうから南下し、中央病院を過ぎて100mも行くと、昔ながらの雰囲気のただよう「スーパー室町」の赤い電光文字が目にはいる。その正面の駐車場越しに見えるのがこの銭湯である。その奥には聖ロザリオ幼稚園がある。
脱衣場の壁には、立派な富士と石鎚の写真があり、中央には昔の病院にあったようなビニールのかかったベンチがある。飲み物が入った小さな冷蔵庫が正面にある番台とは、いくつか並んだ小さなロッカーで隔てられている。その上に天井に大きな扇風機がある。私がここに最初に入った日は、閉店20分前で、急いで服を脱いで浴室に入った。
まず目にはいったのは、正面の富士に湖と水車小屋の壁絵である。大きめのタイルに色を塗っている絵で、すっきりとした富士のデッサンはしっかりしており、水車には不自然な面も見えるけれど色のバランスもよい。女風呂には、同じ富士に松原が描かれているようである。この絵の前の小さな2つの湯船はどちらも水風呂であった。湯船の奥には欄干の形をした御影石の湯だし口がある。シャワーは古い固定式のもので、立ちシャワーもちゃんと出る。湯桶は浴場用と書かれた白いケロリンで、座椅子は緑のプラスチック製のものが大事に使われている。天井には蒸気抜きはなく、中央が低くなった平面のものである。閉店10分前にはサウナが消灯、バブルが止まり、やがて灯りが一つ一つ消えていき、出なければならなくなった。この銭湯は、こじんまりとはしているが、機能的にも構造的にもよくまとまった銭湯である。今度、この富士を眺めながらゆったりと湯につかって心を遊ばせてみたいものだと思った。(H9)