泉湯 (松山市 立花町5-4-2 廃業)

営業時間 14:30〜22:30 休日は6のつく日

 伊予鉄立花駅前のローソンのあるビルの裏手から線路を渡り右に曲がってまっすぐ行く。右手に協和病院があり、その病院と大きなマンションの間をさらにまっすぐ行く。とにかくまっすぐ200mほど行くと、やがて泉湯の黄色い灯りに突き当たる。周りは細い路地ばかりで、どの主要道路からもかなり離れているのだが、なかなか活気のある明るい銭湯である。
 脱衣場の窓は大きく、さらに浴室との境もガラスが多く、外からの光を十分取り入れられる構造になっている。狭いトイレの窓には鉄格子が入っている。むかしはここからただではいるような客もあったのだろうか。タオル200円、なんと貸しタオルは10円である。ドライヤーも新しいけど3分で20円、飲み物もある。番台の上には宇佐神宮のお札を納めた神棚があり、その横に大黒様、えびす様、招き猫がならんでいる。机は丸木で、その上にどんと小さい火鉢が置いてあり、吸い殻入れになっている。ベンチも一つは丸木のベンチだが、座りにくそうだ。脱衣場の隅にはボックスサウナがある。中には10℃も差がある二つの気温計があり、最高で118℃であった。しかし狭いがこぎれいにしてあり、隅には芳香剤?まで置いてある。  浴室には、両側に5組ずつのシャワー付きのカランが並んでいる。左奥にはステンサッシで仕切られた打たせ湯と、縦2点からのバブルジェットのマッサージ湯があり、赤御影石とピンクのタイルでアレンジされている。右奥の水風呂は、安山岩とライトブルー系のタイルで作られている。中央の大きな湯舟は御影石とダークブルー系のタイルで作られており、なかなか手が込んでいる。ゆっくり体を伸ばせるほどは大きくない。中央の湯船の奥には寿印(左右に認識不能の字がある)の球形の石があってそこから湯が出ている。奥の壁には白鳥の泳ぐ湖にアルプスの山々といったタイル絵がある。ドーム形の天井は、グレーのステンので、 各中央に蒸気抜きがある。右奥の庭には、低木と鉢植えの観葉植物が置かれていた。そこから空を見上げると、がっちりしたフレームで補強された煙突が見えた。
 交通の便は悪いけれど、周りはアパートばかりである。銭湯を利用する人は多いのであろう。次から次に客が来て、活気に満ちている。このような状態が、本来の地域の公衆浴場としての銭湯の姿なのでだろう。(H9)