南湯のレポート(松山市)
南湯 (松山市 立花町3丁目3-58 廃業)
営業時間 14:30〜23:30, 休日は5のつく日
伊予鉄立花駅から南に200mほど下って、うどん店「亀屋」の少し手前にある右手の駐車場の奥にこの銭湯がある。この銭湯の煙突は特異な形をしている。一番上にある箱のようなものは、どんな効果があるのだろう。隣にはコインランドリーもある。のれんをくぐり、傘立てなどがある空間の後ろに大きく男湯と書いてある戸を開くと、豊満で元気そうなおばさんが、番台に座っていた。平成6年に行ったときに、娘が2カ月後に嫁に行くという話を大きな声で女湯の客としていた人である。この近辺の道はせまい路地ばかりで、銭湯もわかりにくい位置にあるのだが、この銭湯は客が多くにぎやかである。経営者の人柄が現れているのかもしれない。渋い木製の靴のロッカーは11番〜18番があるが、この中途半端な番号は前の靴箱の構成をいろいろ考えさせる。
すっきりとした明るい脱衣場には、三枚羽のファンがあり、懐かしくかわいい斜め上向きメーターの体重計がある。番台の上にはお稲荷さんが祭られており、八幡神社のお札も見える。サウナはボックスサウナにしてはまあまあ広い。浴室の床は、明るい白灰色のタイル張りである。床の傾斜が急なので水はけは良さそうだ。タイル絵はないが、1m位の高さに茶色のストライプがあり、明るい中にも落ち着いた雰囲気がある。天井のパネルは多少薄汚れているが、各浴室の真ん中にスッと深く蒸気抜きがあるのはいい。カランは珍しい分厚い赤青の透明のピストン式であること、固定シャワー、まるい縁取りのシックな鏡などから、コンビカラン以前の比較的近年に大規模な改装を行ったことが考えられる。
浴槽も縁には御影石を使い、中は落ち着いた青色の中に曲線的な段がある。手すりも2つついており、1つは湯だし口も兼ねたている。奥の打たせ湯の上には、シンバルを持ったこびと?の人形が固定されているが、どんな意味があるのだろうか。わざわざそれを作るために太いコンクリートの円柱が作られているようにも思えるのだが。
この銭湯は、造りこそシンプルだが活気のある地域の社交場であるようだ。(H9)