若葉温泉 (松山市 中村4-9-36 廃業)

営業時間 13:30〜22:30 休日は6のつく日

 国道11号線永木橋の手前のカメラのキタムラ前の交差点をを左折し、しばらく行って、左手にスーパーがある交差点を左折するとすぐにこの銭湯がある。外見的にはあまり趣味のいいとは言えない華美なゲートまである、新築の近代的な建物である。しかし、屋号の書かれたコンクリートの四角い煙突などから察すると、古くからある銭湯らしい。手前に比較的大きな駐車場があり車でも来やすい。
ロビーには自動販売機もある。番台の後ろには、立派な配電盤がある。脱衣場の鏡付近は、違和感がある洋式のものである。浴室は広く、壁絵こそないが、外からの光を取り入れたり、現代的な(防水の)照明をふんだんに使い、明るい開放的な雰囲気となっている。建物は鉄筋コンクリートでしっかりつくってあり、天井の蒸気ぬきや明るく落ち着いた色の壁など全体にまとまった優れたアレンジがなされている。その上、カランなど必要に応じて古い以前のものもさりげなく使ってある。この日の薬湯はワイン・イヴタンであった。打たせ湯は、使うときに自分でコックをひねって使うものだが、かなり強力である。サウナも十分広く、銭湯としての湯船の種類も多い。客も彫り物をした人から老人や子供までさまざまで、しかも多い。さらに車椅子の配慮などもしてあり、これからの銭湯のあるべき姿をこの銭湯は示していると言える。しかし、この付近は、銭湯の多い地域である。この現代的な銭湯によって客足の遠のくところも出てくるだろう。私はむしろ昔風の銭湯が好きなのであるが、これが時代の流れなのかもしれない。などと考えつつロビーに出ると、番台のおじいさんは居眠りをしていた。もしかすると以前の素朴な銭湯の番台に座っていたころの夢を見ているのかもしれない。(H9)