金亀温泉 (松山市 永木町1-6-12 廃業)

営業時間 14:00〜22:20 無休

 国道11号線永木橋手前の、勝山通りと中の川通りとが交差する広い交差点の東の隅にこの銭湯がある。回り込むと車が3台ほどはいる駐車場もある。番台の上には「生神金光大神」を祭った神棚があり、屋号もこの宗教に関係したものなのかもしれない。
浴室の奥の壁には、富士に湖と水車小屋のタイル絵がある。この絵の中の釣り人と犬は不自然である。女風呂はアルプスらしい。中央の湯舟には、御影石の玉の下から湯が出ている。5種類以上の乳液を並べ、顔にぬりたくっている青年がいた。どうもこのての若者には嫌悪感を感じる。彼はサウナの中ではうなっていた。サウナは広く、3人がゆったり座れる。大きな湿度計があって、最初温度計と間違えて見ていた。84%を指していたが、この温度で正常に測れるのだろうか。サンゴをつかった高価な脱臭剤などもある。注意書きには「そりをもってはいらないで下さい」などと書いてある。外の注意書きにも男性の性器を「宝船」などというおもしろい表現がある。

 平成12年夏に久しぶりに銭湯を訪れた。するとどうだろう。ユンボーが浴室を壊しているところであった。表玄関の方に回り込むと、その建物の表情こそ変わらないが、しきりは取り払われた脱衣場がコインランドリーになっていた。鹿島湯、日の出湯とともに一気にこの当たりの銭湯がなくなり、時代の流れの過酷さをひしひしと感じた。