だるま湯 (松山市 神田町5-10, 確認H7)
営業時間 13:00〜22:00, 休日は3のつく日
ダイエー前の交差点を東に、4つ目の信号の交差点を右に曲がるとすぐに、こじんまりとしただるま湯の黄色い看板が見える。鉄フレームで補強された素焼きの積み重ね煙突と、建物の中央の湯気抜きの櫓も見える。小さくまとまった古い銭湯の趣を残す銭湯である。
入り口には女湯ののれんが二つの入り口の中央にあるだけで、どちらに入ったらいいのか迷ったが、よく見ると戸に書いてあった。のれんは左の駐車場や番台の上に張り付けてある。入ると、他の銭湯とは一風違った雰囲気を感じる。中央の柱のだるまの絵、平成7年の凧、干支の猪の大きな絵など多くの絵が掛かっている。他に黒ずんだセルロイドの中に造花の入っている背の高い灰皿があるかと思えば、宇和島東が優勝した60年と、昨年度の高校野球の手書きの勝敗表などが張ってある。赤塗りの渋いうちわ、クッション付きのベンチ、きれいいに改装された便所など細かなところにも配慮がなされている。
浴室にはいると中央に深めの丸い湯船がある。その奥には1段高くなった健康薬用湯(今日は薬草湯、2度目は霞湯だった)の浴槽がある。タイル壁は、すみれ色系の凝った配色なのだが、タイル絵は、裸婦に天使が花を渡している色彩ももう一歩の図でがある。その横の大きなステンレスの板が何なのか気になる。側壁には大きめのタイルに林を描いたすっきりしたデッサン風の同じ絵が3カ所にある。右と奥にシャワー一体型のカランと立派な御影石の洗面台がある。一人やせたおじいさんが、しきり越しに向こうの母と連絡を取りながら小学低学年の孫を風呂に入れてやっている。こじんまりと簡素な中に古いものを残しつつ、いきいきとした地域の生命力が感じられる銭湯であった。さらにこの付近には味のある寺や神社が点在しており、個性のある家も多い地域である。