浴室は大きなコンビネーション浴槽のゆったりした空間で、温泉浴場銭ながら湯形式の蒸気ぬきになっている。壁絵などはないが暖色系の酸性深成岩の石材をふんだんに使った高級感漂う暖かい雰囲気である。ただ、洗い場にシャンプーやボディーソープは常備していないので自分で用意する必要がある。サウナルーム(女湯には塩サウナ有り)もゆったりしているが、今は珍しい一世を風靡した4:3比の25インチブラウン管テレビが鎮座しているのが愛嬌である。
そして私の一押しなのが露天石風呂である。さすが伊予の青石の名産地西条らしく貫入やしゅう曲による縞模様が美しい第一級の青石がふんだんに使われている。全国では珍しい高級石材ながら愛媛県人にはさほど意識されない青石だが、ここの青石のすばらしさには目を見張る。特に日替わり湯(この日は紫根湯)の石風呂は県内随一の至福感がある。露天エリアは少々狭く閉塞感はあるのだが、青石好きにはたまらない空間だと思う。その傍らに打たせ湯があったので、スイッチを押しこれまた美しい青石の座石に座って待ったが湯がでない。よく見ると湯口が閉鎖されているではないか。おそらくはレジオネラ騒動の餌食になったのだろう。ただ温めの湯なので冬場はちょっともの足らない感じがするかもしれない。青石で囲まれた形の濃色の露天エリアだが、ふとみると隅に大理石の裸体の女神が寝そべっており、じゃれついた天使とともにこのミスマッチは、場の息抜きとなっている。
この温泉浴場を語るとき欠かせないのは割引制度だろう。まず回数券:1万円で25枚(5000円12枚)と一般の回数券よりお得な設定で、利用すれば銭湯料金に並ぶ。それだけでなく、日によっては1万円回数券に6回分加算サービスがある。まさこの日がそうで、放送でアナウンスしていた。これで湯銭は323円になり銭湯料金よりはるかにお得。そして3月は土日祝日は一律400円(5000円回数券より安い)になっていた。以下に紹介するJAポイントとの合わせ技も考えると、街の銭湯は太刀打ちできないダンピング料金だといえる。20年前は温泉・銭湯入り乱れて多数あった周桑・西条の公衆浴場生存競争はかなりシビアであり、この武丈の湯こそが台風の目になっているといいようだ。
さて、この武丈の湯はJAが運営するということでJAのサービスポイントカードみのリッチカードが入浴に相互利用できる。大人料金1回で1ポイントスタンプ30ポイントで武丈の湯にご1回入浴または500円分のお食事入浴ができる。ときめき水都市でのお買い物や、資材グリーン水都や各支所購買窓口での購入、定期貯金や定期積金、給油所など様々な所でポイントがゲットできるようだ。さらに今ではリアルでお目にかかれないシングルテール三つ編みのマスコットキャラ(みのりちゃん?)もさりげないノスタルジーで好感度を増している。(H29.03)