さて、ここの入口の看板によると「弥生の浪漫と歴史香る東予温泉」として「この地は、弥生時代中期(二千年前)周敷(すふ)には、道前平野最大の弥生人の村があり、他の国や村からの豊かな物資などが集まった。この村の首長は中国大陸の息吹を感じる装身具「楽浪系石製指輪」を身に付けていた。奈良時代、周敷あたりは、周敷郡(すふぐん)と呼ばれ、このころも奈良の都と伊予の国府を結ぶ南海道が通り、周敷駅があり、都のいろいろな文化が入って来た。又、周敷郡を治める郡家(ぐうけ)「郡役所」があった。このように周敷は古代道前平野の中心で政治経済、文化、交通の要衝(ようしょう)で古代文化の里であったことが周布地区生涯学習推進委員会による先人たちの足跡を解明すべく文化財や遺跡、歴史、伝承の発掘調査により明らかになった。周布の歴史を超え、今に伝える温泉につかり、弥生時代からの香りをご堪能ください。」という有り難い文言がある。
実際には、ここの温泉はナトリウムー塩化物温泉(薄い塩水:低張性弱アルカリ性低温泉)なので、保温効果が大きく血液の循環を良くし筋肉を和らげ汗の蒸発を防ぎ、保温効果が高く湯冷めがしにくいとされる。ここも黄金の湯として源泉の特別な浴槽を設置しており人気がある。他にも信楽焼の壺風呂やジェットバス、寝転び湯、薬湯、歩行湯、遠赤外線サウナなどがあるが、私のお気に入りは、乳白色の湯の華湯のような超微細気泡を超音波で発生させるホワイトイオン湯(写真)である。気分は湯ノ花湯だが手にとってよく見ると気泡であることがよく分かり、眉唾の効能:マイナスイオン効果があるのならすごいだろうなと想像する。本当のところは気持ちの問題なんだろうと思うが、公衆浴場というのは脱日常効果が第一なのでそれはそれでいい。なお、ここはPANAS同様シャンプー類は置いてないので、必要なら自分で準備することになる。(H26.9)
平成10年頃の東予市にはかなりの数の素朴な街の銭湯があって営業していた。しかし、それから16年経って連絡のつかないところが多くなった。再調査は今後のこととしてもしかしてこのような街にできた車で行ける温泉浴場の進出によって駆逐されることになったのではあるまいかと心配している。